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「ムードボード」とは?チームでアイデアを共有するムードボードの作り方

皆さんは「ムードボード」を利用していますか?ムードボードは色や雰囲気など言語化が難しいアイデアをチームのメンバーやクライアントと共有する際に使うツールです。今回の記事では、ムードボードのポイントや作り方を見ていきましょう。

Contents

ムードボードとは?

「ムードボード(Mood Board)」とは、アイデアはコンセプトを紙面やスクリーン上にまとめてコラージュしたものを指します。一般的には、インテリアやファッション業界、グラフィックデザインの分野で使用されることが多いです。
ムードボードを使って、文章だけでは伝わりづらいアイデアやコンセプトをわかりやすく伝えるために、素材を集めてコラージュします。その際に使う素材に制限はありません。写真、イラスト、配色カラーパレット、テクスチャ、文章など、様々な工夫を凝らすことができます。
また、プロジェクトの方向性を明確にするためにもムードボードが使われることが多く、統一することが難しいイメージをムードボードを使って共有できます。
他にも、ブランドブックやロゴの作成、UIデザイン、コンテンツ戦略など様々なムードボードの使い方があります。
一方で、ムードボードでアイデアを共有するだけでなく、作成したムードボードから新たなアイデアやインスピレーションを得ることができます。

「ムードボード」は使い方次第でで様々な可能性があります。作成の際のポイントを押さえて、ムードボードでアイデアを共有してみましょう。

ムードボードの作り方

ムードボードを作成するのに必要な素材、写真などをとにかく集めていきましょう。事前に決めたキーワードに関連した素材を集めていきますが、最初からデザインの方向性を絞るのではなく、様々な可能性を広げながら探していきましょう。複数のデザインを作成し、バランスや色、質感などを組み合わせながら考えていきます。この時に、複数のデザイナーが関わっている際は、ムードボードのアイデアを共有してお互いのアイデアを参考にするのも良いでしょう。
次に、集めた素材を分類していきます。キーワードに関連して集めた素材を色や形などが近いものを集めてグルーピングしていきます。その際、わかりやすいようにグループごとに名前をつけると共有しやすくなります。
最後に、ムードボードで使っている色やフォントを抽出し、ムードボードのアイキャッチを作成します。色はメインカラーと合わせて4色ほど定めましょう。以上がムードボードの作成方法です。

ムードボードのポイント

ムードボードを作成する際に気を付けたいポイントを紹介します。

ポイント⑴伝えたいことを考える

まず、素材を選ぶ前に、ムードボードを使って伝えたいことは何なのかを考えてみましょう。相手にどのような反応、感情を抱いて欲しいか、相手の視点に立って想像することで、ムードボードの方向性が決まります。相手に伝わりやすいように色の設定も細かく定義しましょう。

ポイント⑵実現可能なものだけを含める

ムードボードを作成する際は、実現可能なものだけを含めるようにしましょう。どんなにムードボードで素晴らしいものをつくっても、実際に出来上がったプロダクトがムードボードと大きく異なる場合、信頼を失う可能性があります。そのため、ムードボードを作成する段階で、現実的なものを作成するように心がけましょう。

ポイント⑶デジタルに縛られない

オンライン上で簡単にムードボードを作成することが出来る現在では、デジタルメディア以外にも目を向けてムードボードを作成することも大切です。自然の風景や紙媒体など、あらゆる情報からインスピレーションを得ることができます。

ポイント⑷情報を整理する

ムードボードを作成する目的をもう一度考えて、必要最低限の情報に整理しましょう。大量の画像や素材をそのままムードボードに入れてしまうと、どれを強調したいのか、メッセージ性が弱くなります。取集した多くの画像の中から、一貫性のある素材を選びましょう。しかし、多くの素材から少数に絞ることは簡単なことではありません。落ち着いて素材を選んでいきましょう。

ポイント⑸重要なメッセージを強調する

ムードボードで伝えたいメッセージが強調されるデザインを作成しましょう。例えば、写真のサイズをを変えることで、受けての印象が変わります。大きい写真の方が小さい写真よりも自然と目線が誘導されるでしょう。

ポイント⑹1つのムードボードにこだわらない

無理に1つのムードボードにこだわる必要はありません。ムードボードはあくまでアイデアを共有しながらデザインを絞っていくツールに過ぎないため、コミュニケーションの中で新たな意見が出た際は柔軟に深堀りをすることができます。

ムードボードを簡単につくるツール

デジタルツールを使うことで、より簡単にムードボードを作成することができます。

ツール⑴Pinterest

Pinterestは、ムードボードを作成する際によく使われるツールです。デザイナーにとって必須のツールとされていますが、個人で利用している人も多いです。無料で選択した画像を保存し、簡単にムードボードを作成することができます。個人で利用するだけでなく、メンバーをボードに招待することで、ムードボードを共有することも簡単です。また、ボードは非公開に設定することもできるので、メンバー内だけの共有が可能です。
Pinterestでは、キーワードに関連する画像を自動で選ぶ機能があります。画像を選ぶために悩んでいた時間が減り、効率よくムードボードを作成できるかもしれません。しかし、選んだ画像の修正やコメントを追加する機能はないため、あくまでもイメージをまとめる補助的な役割として活用することが望ましいでしょう。

ツール⑵Canva

Canvaは、チラシを作成するだけでなく、ムードボードも簡単に作成することができるツールです。メンバーをボードに招待することができるため、共同編集も可能です。無料プランではデータ量や使用可能な素材に制限がある点には注意が必要です。
誰でも操作しやすいシンプルなデザインであるため、初心者のメンバーでも触りやすいツールです。

まとめ

ムードボードは、アイデアをわかりやすく伝えるために様々な素材を集めてコラージュしたものです。プロジェクトの方向性を定めるためにもよく使われます。最近では、便利なデジタルツールが多数あり、簡単にムードボードを作成することができます。
ムードボードの名前を聞いたことがあっても、実際に活用したことがないという方は一度試してみてはいかがでしょうか。