デザイン

ロゴの変化はブランディングに効果があるのか?ロゴの変更前と変更後の企業事例集

ロゴは私たちにとって身近なものですが、時代とともにロゴマークも進化しているのはご存知ですか?
今回は、ロゴ企業がロゴマークをリニューアルした成功事例と、ロゴを変更したときのポイント、失敗事例についても見ていきましょう。

ロゴとは?

ロゴは、一般的に企業や商品の「顔」として多くの方に認識される部分です。一般的にロゴとひとまとめにして呼ばれることが多いですが、実際にはロゴタイプ、シンボルマーク、ロゴマークとして分けて考えます。
ロゴタイプは、企業名や商品名などを表す文字。シンボルマークは、企業理念や商品の特徴などを図案化したマークです。ロゴマークは、文字のロゴタイプと図案化したシンボルマークを組み合わせた総称として呼ばれることが多いです。

人間は、文字よりも絵や写真の方が記憶されやすいという性質があります。ロゴを通して企業や商品への認知度を高めるだけでなく、イメージが固定化されるものでもあります。
そのため、ロゴは、一目見ただけでイメージが湧くように、覚えやすいデザインであることが重要です。
また、インナーブランディングにおいてもロゴは良い影響があります。目指すべき方向性や商品のコンセプトをロゴを通して形にすることで、社員の共通認識を高めたり、団結力を強くすることにもつながります。
企業や商品にとって、ロゴはブランディングに欠かせないものです。次の項では、各企業がどのようにロゴを使ってブランディングを行ってきたのか、事例を見ていきましょう。

 

 

ロゴの変更に成功した企業事例

ロゴの変更に成功した企業の実例について見ていきましょう。

NIKE

スポーツ関連商品を扱うNIKE(ナイキ)を知らない人は少ないのではないでしょうか。そしてシンプルなナイキのロゴマークも一度は目にしたことがある方も多いでしょう。シューズに描かれたナイキのロゴがによって、一目でブランドを認識することができます。

ナイキのロゴは今のシンプルなデザインに至るまで何度も変更されてきました。ナイキの名前の由来は、古代ギリシャ神話で戦いを司る女神「ニケ」から来ていることは有名です。それだけでなく、ナイキのロゴマークのデザインの原点は、女神ニケの翼から着想を得たといわれています。由来となった女神ニケの翼は「スウッシュ」と呼ばれています。曲線のあるロゴのデザインは勝利の女神ニケの翼だったのです。


その後、ナイキのフォントをしっかりしたものに変え、色は赤色になり、ブランドイメージを浸透させました。

1995年には、ブランドイメージが浸透したと判断し、文字が無く、黒いロゴマークが単独で使われています。最もシンプルなデザインですが、一目見ただけで勝利の女神が連想される象徴的なロゴとなっています。

 

 

花王

化粧品やシャンプー、石鹸など幅広い製品を扱う花王。多くの方がお馴染みのある三日月に顔が描かれたロゴマークは、創業者自らが考案したマークといわれています。花王の原点は、明治23年、国産初の高品質石鹸「花王石鹸」を開発したことでした。「花王」の名称は、「顔洗い」の「顔」をアピールするための当て字として考案されたもので当初は「香王」と考えられていました。


月のマークは、「美と清浄のシンボル」として創業者が採用、その月に顔を描くことで「顔洗い」とさらにアピールする狙いがありました。

しかし、月は右向きから左向きに変わっています。

その理由は、左向きの月(上弦の月)の方が縁起が良く「事業がいつまでも若々しく、将来に向かって満ちていくように」との願いが込められています。

 

 

 

サントリー

清涼飲料水などで知られるサントリーのロゴマークは、”水”をイメージとしたみずみずしい青色のロゴです。「私たちが生きる. この地球の生命のエネルギーと喜び」を表しています。
しかし、現在のロゴに変わったのは2005年頃です。

それ以前のロゴは、西洋の紋章のような「向かい獅子マーク」でした。大胆なロゴの変更は、「常に自由に柔軟にたくましく、未来に向かって新たなテーマにチャレンジする」サントリーの決意を示したものとなりました。

 

ユニクロ

日本のアパレル企業であるユニクロの、正方形に「UNIQLO」と描かれたロゴは知らない人がいないほど有名なデザインとなっています。
しかし、最初から順風満帆だったわけではありません。ユニクロはロゴを一新したことで、現在のような人気ブランドに成長したといわれています。
ユニクロの初期のロゴは、えんじ色の背景に「踊る二人」のイラストが描かれたもの。

当時は、安くてダサいユニクロといったイメージがありました。そのため、ユニクロのイメージを刷新するべく新しくロゴを作成したのが、様々なロゴを手がけてきたアートディレクター「佐藤可士和」。赤い背景に「UNIQLO」の文字。新しいロゴによって安くておしゃれなユニクロへとイメージが180度ひっくり返りました。ロゴの力で企業イメージを変化させた好事例として知られています。

 

 

Nikon

カメラメーカーのNikon(ニコン)は、黄色の背景に黒文字のロゴマークが印象的です。

現在のロゴが設定されたのは2003年のことでした。
Nikonのアイデンティティカラーとして長年使用されてきた黄色と、光を表す白を入れています。黄色は「広がり」や「情熱」、Nikonのロゴの黒は「信頼」「高品質」、白い波のような模様は「連続した光」を表現することで、Nikonの「使命と意思」「未知への可能性」を表しています。
新たなブランディング戦略としてロゴを変えることで、Nikonの将来への決意を表現するとともに、変わらないロゴタイプからは長年の歴史と信頼を感じます。

 

 

失敗事例とロゴを変更するときのポイント

様々な企業の事例を見てきましたが、ロゴを変更する際のポイントはどのようなところにあるのでしょうか?
ロゴを変更することはリブランディングに繋がります。まずはブランドを客観視することが大切です。現在、企業や商品は顧客や市場においてどのように認知されているのか、イメージがあるのかを把握します。そして、ブランドに足りない点、課題を洗い出します。先ほど客観的にブランドを分析する事で、維持するべきブランドのイメージを崩さずに方向性を決めることができます。

2010年、GAPはロゴ変更の失敗を認め、リニューアル前のロゴに戻したという事例がありました。四角いブルーに白抜きされたGAPのロゴは多くの人に浸透していました。しかし、新しくリニューアルされたロゴは、黒の文字にグラデーションされた青い四角が配置されたカジュアルなデザインになりました。あまりにも大胆な変更を受け入れられず、GAPのSNSには批判が殺到。そのため、二日後には元に戻すことになってしまいました。GAPに残ったものは、不信感ともいわれています。

大企業では、劇的な変化をせず、段階的にロゴを変更する方法もよく行われています。現状のブランドへのイメージを受け止め、真摯に対応していくことが大切です。

 

 

まとめ

私たちがよく目にするロゴは、多くのリニューアルが積み重ねられて現在の形になっています。新しくロゴを変更することはリスクも伴いますが、ブランドのイメージを一新することができる可能性もあり、企業の今後の方向性を決める大きな手法です。様々なロゴの事例を参考に、ブランディングを行ってみてはいかがでしょうか。