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「リーンキャンバス」とは?ビジネスモデルの設計方法について

「リーンキャンバス」をご存知でしょうか?9つの項目からビジネスモデルをまとめるフレームワークのことをリーンキャンバスと呼びます。
今回は、リーンキャンバスの基本的な考え方から、リーンキャンバスの作成方法について見ていきましょう。

リーンキャンバスとは?

リーンキャンバス(Lean Canvas)とは、9つの項目を使い、ビジネスモデルを一枚の図にまとめるフレームワークのことです。『リーンスタートアップ』という著書で有名な起業家、エリック・リースから応用された考え方です。
毎年多くの起業家が誕生するシリコンバレーにおいて、事業を成功させるために欠かせないのが、ビジネスモデルを素早く軌道修正することです。リーンキャンバスの頭文字である「Lean」は「無駄がない、効率的な」という意味です。そのため、スタートアップが効率的にビジネスモデルを検証・改善していくのに役立ちます。

似ているフレームワークとして「ビジネスモデルキャンバス」がありますが、記載する内容が異なっており、よりスタートアップ向きなフレームワークがリーンキャンバスとされています。

ビジネスモデルキャンバスとの違い

一方、 「ビジネスモデルキャンバス」も9つの項目を使ってビジネスモデルをまとめるフレームワークですが、「項目の内容」と「目的」が違います。
ビジネスモデルキャンバスでは、ビジネスを取り巻く環境を記述し、既存の安定した事業に特化したフレームワークとされています。
リーンキャンバスは、ビジネスの課題や価値に着目していることから、まだ方向性が不明確な、スタートアップや事業に有効であると言われているのです。
ビジネスモデルキャンバスとリーンキャンバスの両方の特徴を押さえ、効果的なフレームワークを活用していきましょう。

リーンキャンバスの目的

リーンキャンバスの目的は、顧客とビジネスのバランスを考え、構造を可視化することです。顧客視点で事業の価値を定義することで、実現性を検証することが可能になります。
また、リーンキャンバスは1枚のページに、ビジネスモデルのアイデアをまとめることができるため、3つのメリットがあります。

1つ目は、理解してもらいやすい点です。1枚にビジネスモデルの要点がまとまっていることで、他の人が見てもアイデアを理解しやすく、素早くお互いの認識を合わせることが可能です。2つ目に、短時間で作成できる点です。一般的に、事業計画書を作成する場合は膨大な時間がかかりますが、リーンキャンバスであれば1枚に収まり、短時間で作成することが可能です。さらに、加筆修正することも簡単にできます。3つ目に、共有がしやすい点です。1枚でまとまるため、持ち運びや共有する際にも便利でしょう。
効率的にビジネスモデルをまとめられるため、企画書としても効果的です。

リーンキャンバスを構成する9つの項目

リーンキャンバスを構成する9つの項目について、細かく説明します。

項目①顧客セグメント

まずは、顧客の情報を記していきましょう。ここで注意するのは、サービスやプロダクトを提供する顧客を広範囲に考えているとしても、最も伝えたいことを明確にするために、「アーリーアダプター」の特徴を書き出すことです。具体的には、年代、住んでいる場所、趣味など、顧客の人物像が想像できるように特徴を記述します。

項目②顧客の課題

顧客が抱えている課題や悩みを上位3つ書き出します。また、課題に対して、顧客が既に課題の対処法として利用しているサービスなども併せて記しましょう。顧客のニーズを把握し、新しい企画につなげることが出来るかもしれません。

項目③バリュープロポジション(独自の価値提案)

事業を通して顧客に提案できる、他のサービスには無い、自社の独自の強み、価値を書いていきます。競合のサービスと比べ、差別化できる注目ポイントも示し、説得力のある内容に仕上げましょう。リーンキャンバスの中でも最も重要であり、書くことが難しいとされている項目であるため、最初は空欄、簡単にまとめるくらいでもかまいません。

項目④ソリューション(課題解決)

この項目は、項目②で考えた顧客の課題のソリューション(課題解決策)を考えていきます。項目③の独自の価値提案で設定した、自社の強みを元に顧客の課題をどう解決することができるのか、顧客の対処法と比較しながら書いていきましょう。
しかし、最初は詳細な課題解決策ではなく、現時点で実現可能なアイデアをまとめます。

項目⑤チャネル(顧客流入元)

顧客との接点や繋がりを具体的に書き出します。顧客にサービスや商品を知ってもらうためのコミュニケーションツールです。例えば、FacebookやTwitterなどのSNS、オウンドメディア、テレビ広告やリスティング広告など、どのような接点があるのかを想像してみましょう。

項目⑥収益の流れ

事業を収益化する流れを考えます。そして、数年後の軌道に乗った価格ではなく、サービスをリリースした直後の価格を記しましょう。

項目⑦コスト構造

サービスをリリースするまでに必要なコストを記載します。人件費、広告費、商品開発費などより具体的に書き出します。最初は想像の範囲で費用を書き出し、具体的な数字がわかり次第、リーンキャンバスに追記していきましょう。

項目⑧主要指標

事業を継続するうえで成長を計測する指標を「主要指標」と呼びます。「KPI」と呼ばれることも多く、リーンキャンバスにおけるビジネスモデルを成功させるために重要な指標です。例えば、サービスへの入会率など、成功するために必要な目標を数字で設定することで、目標達成への道筋が明確になります。

項目⑨競合優位性

他社の競合と比較し、客観的に自社の優位性を考えていきましょう。競合他社が簡単に真似できない、ノウハウや実績、チームメンバーなど具体的に考えましょう。競合他社に対する優位性がない場合は、どうしたら優位性を得ることができるのかどうか、施策を検討してみましょう。

リーンキャンバスのポイント

リーンキャンバスを作成するにあたって大切なポイントは、短時間で簡潔に、空欄でも問題ないことを意識して書きましょう。明確な正解はないため、時間を区切って短時間で書き上げることが望ましいです。そして、1枚でまとめる必要があるため、簡潔に要点のみを選んで書きましょう。柔軟に加筆修正することができるリーンキャンバスでは、空欄は問題ありません。
大切なポイントを押さえ、9つの項目を1つずつ書き出していきましょう。

まとめ

スタートアップに有効なフレームワーク「リーンキャンバス」について理解できたでしょうか?似ているフレームワークである「ビジネスモデルキャンバス」との違いを踏まえ、状況に合わせたフレームワークを活用していきましょう。