ブランドロイヤリティについて詳しく知っていますか?知っていたとしても、理解して満足し、実践的に活用している人は少ないのではないでしょうか。今回はブランドロイヤリティに関して基本的な概念からブランドロイヤリティの重要性、高めるための方法までご紹介します。
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ブランドロイヤリティとは何か?
ロイヤリティ(loyalty)は英語で忠誠という意味です。つまりブランドロイヤリティとは、どれだけの顧客が特定のブランドに対して愛着を持ち、購入してくれているのかを表した指標のことです。直訳すると「銘柄忠誠度」などと訳されています。
「リピート率が高いブランドはブランドロイヤリティが高いブランドである」。そう思っている人がいるかもしれません。しかし、リピート率には愛着を持たずに購入した人も含まれるため、ブランドロイヤリティを図るための正確なデータとは言えません。満足度に関しても同じように、強い意見のない人まで含まれてしまうため正確では無いと考えられています。
ではブランドロイヤリティを図るための指標は何なのでしょうか。ここからその指標を2つ紹介します。
①DWB(Definitely Would Buy)
Definitely Would Buyは直訳すると、「絶対に買いたい」になります。つまりどれだけの顧客が絶対に買いたいと思っているかを調査して、ブランドロイヤリティを図る方法です。
実際には「絶対に買いたい」「買いたい」「どちらでもない」「あまり買いたくない」「全く買いたくない」の5段階の質問を顧客に向けて調査し、どれだけの人が絶対に買いたいと感じているか数値化します。ちなみにここで数値化された「絶対に買いたい層」はロイヤルカスタマーと呼ばれます。ある企業や製品、サービスに対して高い忠誠心を持つ顧客の総称です。このロイヤルカスタマーは全体の2割ほどですが、企業の利益全体の8割をもたらすとも言われる重要な存在です。彼らを理解し、相互的に関わっていくことでブランドロイヤリティを最大限に活かすことに繋がります。
②NPS(Net Promoter Score)
NPS(Net Promoter Score)は、ブランドに対する顧客の「他人への推奨度」を数値化し、ブランドロイヤリティを図る方法です。
実際には、まず顧客に「自社の商品・サービスを家族や友人、同僚へ薦める可能性はどのくらいありますか?」という質問を0~10の11段階で評価してもらいます。そして0~6を批判者、7,8を中立者、9,10を推奨者と考え、推奨者の割合から批判者の割合を引いた数を計算します。この数字が高ければ高いほど、その企業は推奨者が多くブランドロイヤルティが高い企業ということになります。
ブランドロイヤリティが重要な2つの理由
ではブランドロイヤリティはなぜ重要なのでしょうか。今回は2つの理由を紹介します。
①安定して利益を獲得できるようになるから
顧客に価値のある特別なブランドと認識されると、高価格でも選ばれる可能性が高まります。すると、競合他社による価格競争に巻き込まれることを想定しない価格設定ができるようになります。高価格でもリピートしてくれる顧客が安定して生まれることは、利益が高い水準で安定することに繋がります。
②リピート顧客が新規顧客を引きつけるサイクルができるから
顧客は「新規顧客」と「リピート顧客」の2種類に分かれます。その顧客同士が干渉しあう仕組みが出来上がると、ブランド側が宣伝しなくても新規顧客を継続的に獲得できるようになります。実際ブランドロイヤリティの高いブランドはNPSが高いため、この仕組みが出来上がっていると言えます。
マーケティングの1:5の法則によると、新規顧客を獲得するためのコストは既存顧客にかかるコストの5倍とも言われています。つまり、この仕組みを確立することができると、新規顧客獲得のためのコストも抑えることが出来、自社のコストパフォーマンスに対しても良い影響を与えることが出来ます。
ブランドロイヤリティを高めるための4つの方法
ここからは実際にブランドロイヤリティを高めるために有効な4つの方法を紹介します。
①ブランドの強みや特徴を把握する
ブランドロイヤリティを高めるためには、まず自社が選ばれる理由を把握しましょう。把握することで、施策に活かすことができます。実際に把握するためには、自社についてのアンケートをとることが効果的です。顧客が自社のどの部分を気に入って購入しているのかや、自社が強みとしている部分と顧客が気に入っている部分が一致しているのかを調査します。アンケートの答えをより多く集めたい場合は、ポイントサービスやプレゼント企画を併用すると効果的です。
②顧客の声を汲み取ったサービスを提供する
ブランドロイヤリティの高い顧客を多く獲得するには、顧客の声を汲んだ商品やサービスを提供することが重要です。たとえ最新技術を取り入れた最先端の商品やサービスであっても、顧客のニーズに合っていなければブランドロイヤリティを高めることはできません。顧客が何を期待しているかやロイヤルカスタマーのニーズは何なのかを意識した商品やサービスの開発が求められます。
③コミュニティを生み出す
ブランドロイヤリティを高めるための方法として、積極的な情報発信も効果的です。実際にはSNS を活用し、情報を発信しながらリアルタイムで顧客の反応をチェックしたり、顧客と気軽にコミュニケーションをとることで、自社と顧客のコミュニティを作り上げることがブランドロイヤリティの向上に繋がります。
④ロイヤリティプログラムを導入する
リピート顧客に対してインセンティブを提供し、より高頻度なリピートを促す仕組みを作り出すと結果的にブランドロイヤリティの向上につながることがあります。実践的な手法としてもっともポピュラーな手法には「ポイントプログラム」があります。商品の購入時や新しい顧客を紹介してくれた際にポイントを付与して、次回の買い物やサービスの利用を割引するといった方法です。
まとめ
ブランドロイヤリティを高めることで、新規顧客を獲得することが困難になっている現代の状況を乗り切れる強いブランドづくりができるでしょう。自社のブランドロイヤリティの現状はどのようなものか、一度見直してみてはいかがでしょうか。