ブランディング

「採用ブランディング」とは?採用ブランディングに取り組む企業の好事例

「採用ブランディング」は力を入れて取り組んでいますか?企業が採用力を強化するために、自社のブランド価値を高めるブランディングの方法です。少子高齢化や新型コロナウイルスの影響などで採用の市場にも変化が訪れています。「この企業で働きたい」と思ってもらえるように、採用ブランディングに取り組むことが必要です。

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採用ブランディングとは?

「採用ブランディング」とは、自社をブランド化する、採用活動の際のマーケティング手法です。「この企業で働きたい」と思ってもらえるように、自社の魅力を伝え、自社のファンを増やしていきます。
採用ブランディングのアピール対象は、就活者だけではありません。新卒採用では、新卒の学生だけでなく、学生の家族や学校の指導教員、友人など学生の周りの人々すべてが関係してきます。同様に中途採用でも周りの人々を意識して、企業のブランドイメージの向上を目指していきましょう。

具体的には、企業理念やビジョン、職場の雰囲気、さまざまな自社のアピールポイントを採用ホームページや説明会などを通して、上手く情報発信していくことが採用ブランディングです。
ブランディングは短期的に構築できるものではありません。改善を重ねながら長期的に自社のブランドイメージを向上させていきます。

一方で、顧客向けのブランドと採用ブランドは違います。普段ブランディング活動を行っている企業であっても、採用ブランディングとはターゲットが異なるため注意しましょう。消費者が採用したい人物像であるとは限らないからです。

採用ブランディングの目的

採用ブランディングの目的は、自社の「採用力」を強化することです。自社が求める人物を獲得するためには、採用ブランディングを的確に行うことが必要です。

なぜなら、少子高齢化によって労働人口の減少が問題となっています。企業にマッチする人材を獲得することは以前よりも難しくなっているのです。また、2020年の新型コロナウイルスの流行により、新卒採用では、売り手市場から優秀な人材を早期に獲得していく流れへと変化しています。さらに、SNSが普及したことにより求職者側が受け取る情報量が多くなっています。

多くの企業の中から「この企業で絶対に働きたい」と熱意を持ってもらうためにも、自社のブランドイメージがとても重要なのです。

採用ブランディングのメリット

採用ブランディングを行うことで得られる主なメリットをご紹介します。

メリット①企業の認知度向上

まずは企業のことを知ってもらうことが大切です。そもそも企業の認知度が低いと、採用活動自体が難航してしまうでしょう。特に中小企業やベンチャー企業では、企業の存在を知らない人も少なくありません。
採用ブランディングを行うことで、求職者だけでなく広く認知度を向上させ、採用活動の成功にも近づくでしょう。

メリット②応募者数の増加

企業の認知度が上がり、ブランドイメージが向上することで「この企業で働きたい」と考える人が増え、応募者数が増加します。より多くの応募者を獲得し、大きな母集団を形成することができれば、自社が求める人物像ともマッチする可能性が高くなります。

メリット③競合他社との差別化

同じ業種、地域、規模といった競合他社と自社の差別化も重要なポイントです。就職活動や転職活動で、多くの企業の中から応募します。しかし、企業の社風や仕事内容などは実際に働くまでなかなか知ることができません。そのため、他社との違いや自社の魅力を明確にすることで、求職者から選ばれる企業にします。

メリット④ミスマッチの解消

知名度を向上させるだけでは、ミスマッチが生まれてしまう可能性があります。そのため、採用ブランディングを行うことでリアルな自社の情報発信を行っていくことが必要です。
企業への正しい理解を深め、ギャップが生まれないようにすることで選考段階での離脱や内定辞退など、ミスマッチを事前に解消できるでしょう。

メリット⑤採用コストの削減

広告にお金をかけずに人が集まることで、採用コストを削減することができます。
自社をブランド化すると、口コミなどで評判が広がる可能性もあります。結果的に、求人や採用活動にかかるコストを大きく削減することにつながるでしょう。

採用ブランディングのデメリット

採用ブランドを行う際に注意すべき点もあります。

会社全体で取り組む必要がある

採用ブランディングは、採用担当者だけでなく会社全体で取り組むことが必要です。一貫性のあるメッセージを発信するため、経営層、全従業員の意識や価値観を統一させ、企業理念を実践していく姿勢が求められrます。
そのため、短期的に採用ブランディングを行うことは難しく、時間をかけて会社全体の意識を統一していかなければなりません。

効果が出るまでに時間が必要

採用ブランディングは、効果がでるまでに時間がかかります。企業の認知度を向上させることから始まり、ブランドイメージを浸透、応募者が増加するまで根気強くブランディング活動を続ける必要があります。

就活生から見た採用ブランディングの好事例

就活生から見た、採用ブランディングが成功している企業の事例を見てみましょう。

事例⑴タニタ

体温計や体重計などを製造、販売するタニタ。レシピ本『体脂肪計タニタの社員食堂』という本を知っている方も多いのではないでしょうか?本が企業の関係者だけでなく、世間一般に広まり話題になりました。
採用ブランディングとしてレシピ本を使い、健康器具のメーカーではなく、「人々の健康に対する貢献度の高い企業」という良いブランドイメージを確立。結果的にタニタのビジョンに共感する人々から採用につながりました。

事例⑵パナソニック

採用ブランディングに力を入れている企業として有名なのが、パナソニックです。以前は「伝統ある大企業」などと世間からは考えられていました。
しかし、2017年に「採用ブランディング課」を新たに設立。採用をマーケティングと捉え、実践することで企業イメージを刷新しようと考えました。
ターゲットは新卒の学生。パナソニックの外面だけでなく、「人や想い」など企業の素顔がわかる情報を発信しました。また、学生に1年間かけてインタビューを行うことで、ターゲットの本当の悩みに寄り添った施策を考えることに繋がったのです。

事例⑶トゥモローゲート

「ブラックな企業」大阪市の広告会社、トゥモローゲートの「ブラックな企業でアピール」するキャッチコピーがSNS上で話題になりました。
過酷な労働環境を強いる「ブラックな企業」を避けたい学生が、インターネットが検索するとトゥモローゲートにたどりつくという仕組み。マイナスイメージの言葉を逆手に取り、自社の魅力をアピールすることができています。

事例⑷面白法人カヤック

「面白採用キャンペーン」と題した採用活動を行っている面白法人カヤック。鎌倉を拠点とし、テクノロジー×アイデアを組み合わせた”新しい体験”や”面白いサービス”を続々と展開している企業です。
「面白法人カヤックの就活にルールはありません。」と新卒に向けたメッセージと、「1社だけの合同説明会」「エゴサーチ採用」「エイプリルフール採用」など数々のユニークな採用キャンペーンで注目を浴びています。

まとめ

「採用ブランディング」は少子高齢化社会が進む現在、注目されているブランディングです。しかし、効果を出すためには長期的な活動が求められるため、採用活動で悩んでいる方は早い時期に取り掛かることが望ましいでしょう。