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ブランドカンパニー”パタゴニア”から学ぶソーシャルグッドの成功事例

※この記事はhttps://www.referralcandy.com/blog/patagonia-marketing-strategy/を引用・翻訳したものです。

2018年時点で、Patagoniaの時価総額は10億ドルにも達します。
実は、この評価額はとても驚くべきことです。なぜなら、Patagoniaは反消費主義を掲げ、通常であれば企業の売り上げにマイナスの影響を与える環境問題の解決やフェアトレードを促進しているからです。しかし、このブランドの成功は企業は社会に良いことをしながらも業績を上げることが可能であると証明しています。

では、どのように彼らは10億ドル規模の有名な小売企業になることができたのでしょうか?

”Don’t buy this jacket”ー反消費主義キャンペーン

どんなタイプのキャンペーンであれば消費者の注目を集めることができるのでしょうか?

Patagoniaはその答えを見つけました。ブラックフライデーに合わせたDon’t buy this jacketの広告がその答えです。New York Times紙の1ページまるまる使い、この製品を買わないよう呼びかけました。そして、親切丁寧になぜこの製品が環境を害するのかを説明したのです。

広告にはこのように書かれています。”私たちが作るすべての製品の環境コストは驚くべきものです。紙面に載っている私たちのヒット商品、R2ジャケットについて考えてみましょう。これ1着を作るためには、135Lの水を必要とします。その水量は、人が生活するにあたって1日に必要とする水(約3L)の45人分相当です。また、この製品の原料、60%リサイクルのポリエステルである状態からジャケットとなってネバダ州リノにある我々の倉庫に運ばれるまでの間、20ポンドの二酸化炭素を排出します。これはジャケットの24倍の重さにもなるのです。”

”’Don’t buy this jacket’の本当のメッセージは、Patagoniaが消費という観点において伝えたいメッセージとも関連してきます。つまり、あなたが必要でないのであれば、この製品を買わないでくださいということだ”とPatagoniaの欧州マーケティングディレクターのAlex Wellerはインタビュー時に言いました。”そしてもし、あなたがジャケットを必要とするのであれば、環境に配慮するために慎重にかつ修理できるよう製造され、明確な用途を持っているものを購入してください。つまり、製品を所有しないよう促しているわけではありません。むしろ、人々と製品の関係性を変え、ただ思いやりのある消費者ではなく、思いやりと丁寧さを持ち合わせた製品の所持者になってほしいのです。”

また、ジャケットが必要な場合は、慎重に製造され、修理用に製造され、明確な目的を持っているものを購入するようにしてください。 つまり、人々に物を所有しないように促すことではありません。 それは、人々と物との関係を変え、思慮深い消費者であるだけでなく、物の思慮深く注意深い所有者になることです。

この広告はPatagoniaがビジネスであることから、偽善的に見えるでしょう。しかし、彼らは社会的に良いことを行うことはビジネスにもよいといつも信じているのです。このブランドの消費者は本当に環境について考えているからこそ、この広告が消費者の心に届いたのです。

フェアトレードの促進ー従業員を重要視する姿勢

なぜフェアトレードの認証を受けていることは大切なのでしょうか?

Patagoniaがリリースしているフェアトレードに関するドキュメンタリーの中で、Patagoniaは工場勤務者が直面している困難に焦点をあてています。そのビデオでは彼らの劣悪な労働環境や、低い賃金、そして生きることの難しさを明らかにしています。この状況は世界中の労働搾取工場でみられる状況ですが、Patagoniaは適切な解決策を提供しています。

PatagoniaはフェアトレードUSAとパートナーシップを結ぶことで、自社の工場勤務者の生活水準も気にかけていることを明らかにしています。
手始めに、フェアトレード認定会社は賃金と安全な労働環境を提供するのが一般的です。しかし、Patagoniaはさらに一歩進んでおり、その利益の一部をどのように使用するかを決定するフェアトレード労働者委員会があります。

今までに、このプログラムは430,000ドルを7,000人以上の従業員に届けてきました。あるグループは託児所を始め、別のグループは現金でのボーナスを選び、他にも雨季のためにレインコートを買ったグループもあります。

Patagoniaのフェアトレードに関する献身は、14種類のフェアトレード認証を受けた服と共に2014年に始まりました。フェアトレードはビジネスにとっても良いことを証明するため、2017年までにフェアトレード認証済み衣類の数は300種類以上に達しました。

フェアトレード運動に参加することで、Patagoniaは労働者を適切に扱い、ビジネスにおいてもそれがプラスに働くことを証明したのです。

Worn Wearー服を長く着てもらうキャンペーン

消費者がなぜPatagoniaの商品を好んで買うのか他の理由を見てみましょう!

彼らの製品はとても長く持ちます
…でももし、着た時に破れたら?

全国で行われているPatagoniaのWorn Wearイベントは、顧客が製品を修繕するのに役立ちます。 もちろんサイトをみて自分で服を直し、着続けることもできます。 または、修繕が必要なPatagonia製品を会社に持参すると、無料で引き受けてくれます。 実際、このブランドは北米で最大の衣服修繕施設を運営していて、今年だけでも約40,000件の修繕を行っています。

これは、保証が機能することを顧客に証明する1つの方法です。

消費者を活動に取り込むストーリーテリング

patagoniaのYoutubeチャンネルは、消費者をウキウキしてすぐに外へ出たくなるよう魅了するビデオであふれています。

その中の一つである“Free the Snake: Restoring America’s Greatest Salmon River” というタイトルのビデオでは、スネークリバーサーモンの4つのダムが何千もの野生のサーモンの命に害を及ぼす理由を説明しています。 そして次に、なぜ今こそダムを撤去して川を回復し、野生の魚を川の流域に戻すべきなのかについて語っています。

他にも、 “Why Patagonia Fights for Public Lands,”というタイトルのビデオでは、なぜPatagoniaの創設者であるYvon Chouinardが公有地の保護に乗り出したのかについて説明しています。視聴者に対して、どのようにその活動を支えられるかも語られています。

これらのビデオが明らかにしているのはストーリーテリングを通じたパーパス・ドリブン型企業としての試みです。各々のPatagoniaのビデオは消費者を環境的、社会的問題の関係者であると認識させます。そうすることで、社会にインパクトが残せると考えているからです。

“製品は常に私たちの基盤であり、私たちは最高の製品を作ることにこだわっています。”とPatagoniaのマーケティング担当副社長であるJoy Howardは言います。”人々は製品を通じてブランドに参入しますが、会社が何のためにあるのかを知るのには長い時間がかかります。 しかし、一度理解すると、彼らは永遠にブランドに夢中になるのです。 したがって、マーケティングチームとしてのタスクは非常に単純です。それは、人々がPatagoniaというブランドが何なのかを簡単に見つけられるようにし、隠されていたり、アクセスが困難でないかどうかを確認することです。なぜなら、彼らが一度私たちについて知ったら、彼らは私たちと同じ課題観を共有する、こちら側になるなるからです。”

このようにPatagoniaは、その社会的原因に焦点を当てた動画を作成することで、重要なストーリーを消費者に伝えることができるのです。

まとめ

今回の記事では、Patagoniaの成功を支えた活動を見てきました。次の4つの要素が成功へと導いたといえるでしょう。
・本当に心から心配し、推進している社会や環境に対する行動をみせていること
・消費者を魅了するためのストーリーテリング
・フェアトレード認証についての配慮
・従業員を大切にする姿勢