ブランディング

今治タオルの復活から学ぶメイドインジャパンのブランディング戦略

皆さんは今治タオルと聞いてどんなイメージを持ちますか。多くの人は「日本を代表する高級タオルブランド」というイメージを浮かべるのではないでしょうか。

日本を代表するだけあって伝統的なブランドだと思われがちな今治タオル。実は、2006年にクリエイティブ・ディレクターの佐藤可士和氏にリブランディングを依頼したことで認知度を向上させた歴史の浅いブランドなのです。そこで今回は、今治タオルのリブランディングから見る日本発のブランディング戦略についてまとめていきます。

Contents

今治タオルプロジェクト 3つのポイント

2006年から4年間、今治タオルブランドを確立する事によって地場産業を盛り上げようと奮闘した今治タオルプロジェクト。その成功の裏にはどんなポイントがあったのでしょうか。

ロゴマーク

佐藤可士和氏はタオルを見て、どこにも今治と書いてないことを問題点だと感じたそうです。タオルを買おうとする人が、今治産のタオルなのか区別がつかないことにはブランドとして確立できません。そこでデザインされたオリジナルロゴ。今治の温暖な気候ときれいな水という質の良いタオルをつくるのに適した環境を連想させ、産地の復活をイメージするデザインとし、ロゴ全体が今治の頭文字の「i」の形となるように設計されています。

安心・安全・高品質

「高い品質を伝えるには余計な要素はいらない」と本質価値にこだわっている今治タオル。その証拠として、12項目の厳格な品質基準をクリアしなければ今治タオルとして認められません。このこだわりが高品質で安心・安全な今治タオルブランドにつながっています。

タオルソムリエ制度とタオルマイスター制度

ユニークな施策として、タオルソムリエ資格試験制度とタオルマイスター認定制度を作りました。タオルソムリエ資格試験制度は、タオルの勉強をして専門知識を積んだ人に対し、今治タオル工業組合が「タオルソムリエ」という資格を認定するというプロジェクト。タオルマイスター認定制度は、今治タオルを生産する技術と経験を持ち、技術者の模範となる熟練技術者に与える称号。この2つの施策によって今治タオルを通した人々の技を普及させることに成功しました。

今治タオルがリブランディングに成功した秘訣

今治タオルがリブランディングに成功した理由は、強みを活かすことに特化したからです。もともと優れた品質を持った今治タオルをより厳格に品質管理し、ロゴマークで差別化したことで消費者に広く知られやすくなりました。タオルソムリエやタオルマイスター、その他海外での展示会などの施策も持続的な普及に力を貸しています。

今治市の今後〜シティ・ブランディング〜

今治市は若者が減少しているという問題も抱えています。そこで今治市のシティ・ブランディング・キャンペーン「アイアイ今治キャンペーン」を構想し始めました。この構想では、今治タオルカフェや今治ブレストなど今治市全体を巻き込んだブランディングが考えられています。

まとめ

今回は今治タオルのリブランディングから今治市のシティ・ブランディングまで解説してきました。日本発のブランディング戦略を是非参考にしてみてはいかがでしょうか。