ブランディングを実施する際に、まずは何を始めれば良いかわからないのではないでしょうか?ブランディングはあらゆる領域に影響するため、どうしてもわかりやすい手段から入っていまい、結果ブランド戦略が単発になってしまうことが見受けられます。
ここでは、弊社のメソッドである「reiro 9 Structure」から、ブランディングの手法について簡単に解説します。
Contents
ブランディングの手法 「reiro 9 structure」について
弊社では、独自のメソッドである「reiro 9 structure」というものを用いています。特長としては、ブランドを概念的に捉えてコンセプトを設定し、顧客のタッチポイントに対して実行に至るまで、なるべく自然かつブレがない状態で包括的に整理できることが挙げられます。
大きな流れで言うと、
構想→コンセプト設計→実行
が、モレなくダブりなくブレなく確認できるイメージです。
ブランディングの手法 「reiro 9 structure」の構想フェーズについて
ブランディングを進めるにあたって、ブランドをマネジメントする核となるブランドコンセプトが最も重要となります。このブランドコンセプトを設定するために、弊社では3点にフォーカスしています。その後、ブランドコンセプトを設定し、それを通じて5点の観点からブランド体験を設定します。
具体的には、以下の通りです。
ブランディングの手法 「reiro 9 structure」①意志
ここでは、自社やサービスの持つ意志を確認します。何のためにどのような意志を持つか理解することによって、どのようなブランドを顧客に浸透させるか理解することができます。
意志を表すものはたくさんありますが、ビジョン・ミッション・バリューを中心として考えます。また、企業規模によっては、経営陣や従業員双方の意識調査を行なったり、経営者のメディアインタビューなどを確認すること。また、コアメンバーなどのワークショップを行い、意志を明文化します。
ブランディングの手法 「reiro 9 structure」②インサイト
続いて、顧客インサイトを発掘します。
ここでは、顕在化しているニーズではなく、顧客が潜在的に抱える根の深い部分を捉えることが重要です。顧客のインサイトを理解することによって、顧客にどのようにブランド体験を与えればブランドが蓄積されるか知ることができます。
代表的な手段は、デプスインタビューを中心とした定性的な顧客調査を繰り返し行い、顧客のインサイトの仮説見つけ、その後検証作業を行います。このフェーズは事業戦略にも近い部分のため、サービスやプロダクトと伴走しながら進めることが極めて重要です。
ブランディングの手法 「reiro 9 structure」③差別化
自社の意志と顧客のインサイトを理解したところで、競合と同じブランド戦略を取ってしまうと意味がありません。ここでは、競合環境を分析・理解し、いかに効率的にブランド成長が行われるか見定めます。
重要なのは、マクロ視点から捉えることで近視眼的な競合設定をしないことです。特に類似サービスであるが、シェアが全くない企業を競合設定してしまったり、特定のカテゴリだけで競合設定し、実際の顧客の行動と伴わないケースが多く見られます。
しっかりとマクロからマーケティングを行い、競争環境を見定めることによって、正しい差別化ポイントを見出すことができます。
ブランディングの手法 「reiro 9 structure」④コンセプト
いよいよ、最重要課題であるコンセプトを設定します。現状までの3つの分析結果を用いて、正しいブランドコンセプトを導きます。
状況によって設定の仕方は工夫する必要がありますが、基本的にはコアメンバーでワークショップを行い、現状の分析結果をプロットしながら、一つの言葉に集約します。
重要なのは、耳馴染みの良い言葉を探すのではなく、本質を射抜くことが重要です。ブランドコンセプトは顧客に対して使うものではないため、カッコ良い言葉でなくてもいいのです。ただし、ブランドを体現する皆が理解する必要があるため、複雑になることは避けるべきです。また作り上げるステップも重要なため、ワークショップで答えを見出す際のファシリテーターの腕も問われることになります。
ブランディングの手法 「reiro 9 structure」⑤〜⑨実行フェーズ
コンセプトが決まったら、それを各タッチポイントに合わせて実行に移します。まずは顧客のタッチポイントを理解することから始めます。有効的なのはカスタマージャーニーなど、パターン化されていない顧客体験からタッチポイントを設定することです。そこから「reiro 9 structure」では、
⑤感情
⑥話し方
⑦ビジュアル
⑧行動
⑨未来
の5つに分けて、各タッチポイントに有効なブランド体験を設定します。なるべく人間の本質に近い部分からブランド体験を設定することによって、「顧客にとって一本の映画を見せる」ようなブランディングを提供することができます。
絶対に避けるべきなのは、手段からブランドを体現することです。例えば、「とりあえずツイッターとインスタでブランディングしよう」など、予めすることを決めた上でブランド体験を作ることです。このメソッドでブランド体験を設定すると、どのようなSNSを使うかなどは自ずと見えてきます。
顧客視点のブランド体験を設定し、自社をうまく結ぶことで、よりストーリーが伝わるようになるのです。
まとめ
大まかですが、このようにブランディングを進めることによって、顧客に確実に届くブランディングが実施できます。また、根拠のあるブランド戦略のため、各ブランド体験ごとのKPI設定が容易で、仮設検証のサイクルが回しやすいです。
ブランディングは長期的に形成していくもののため、正しい形でうまく成長ストーリーを描くことも重要です。