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ミッション・ビジョン・バリューとは?意外とわかりにくい用語の違いを解説

「ミッション・ビジョン・バリューは企業や団体にとって大事な考え方である。」これは多くの人が知っています。
しかし、ミッション・ビジョン・バリューの有無でどのような差が生まれるのかやそれぞれの違いについて、イマイチ理解出来ずにいる方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、ミッション・ビジョン・バリューの必要性やそれぞれの違いを理解できるように、それぞれの意味を紹介していきたいと思います。

Contents

ミッション・ビジョン・バリューの違い

ミッションとは、「果たすべき使命」

ミッションを一言で表すと、「企業が果たすべき使命・役割・存在意義」と言えます。多くの場合、特定の時間だけでなく、過去・現在・未来と日々果たしている内容を指します。
ミッションの言語化は企業の存在意義にも繋がるため、どれだけ深掘りして設定できるかが企業の成長に大きく影響することになります。
また、企業の果たすべき使命・目的が明確になっていることで、組織で働く一人ひとりの仕事への向き合い方も変わります。

 

ビジョンとは、「目指す未来の形」

ビジョンは、ミッションが実現された先に「目指す未来の形」を表します。果たすべき使命(ミッション)を実現することで、その企業や団体がどのような未来をつくりたいのかを示すのがこのビジョンです。内容としては、会社の売上に関するような狭い範囲のことよりも、社会全体にどのような影響を及ぼすのかといったように企業の外側から見た顧客や取引先が応援したくなるような姿が望ましいです。

 

バリューとは、「企業の価値観や社員の行動基準」

バリューは「ミッションやビジョンを達成するために必要な、企業の価値観や社員の行動基準」です。
企業が顧客に対して、どのような価値を提供するのか、また社員の行動基準を明確にすることで、ミッションやビジョンを実現に繋がります。
行動基準は誰でもが理解しやすいように、ミッションやビジョンよりも具体的な内容に落とし込むことが望ましいでしょう。

 

ミッション・ビジョン・バリューが必要な理由

ミッション・ビジョン・バリューを設定することは、社会的に意味を持った企業として成長していくために欠かせません。

ドラッカーから学ぶミッション・ビジョン・バリューの必要性

2003年に出版された著書「Managing in the Next Society(ネクスト・ソサエティ)」の中で、ミッション・ビジョン・バリューの必要性を提唱したピーター F. ドラッカーは、「未来の社会において多国籍企業(大企業)にとっての最大の課題は、その社会的正当性を示すことだ。」と唱えました。
投資家や消費者など企業に関わるステークホルダーに対して、企業の存在意義を明示化する重要な存在になります。

メルカリ・小泉氏から学ぶミッション・ビジョン・バリューの必要性

メルカリの小泉氏は、ミッション・ビジョン・バリューを策定していなかったことで価値観や判断基準がなく、それぞれが勝手な行動を取ってしまったミクシィCFO時代の経験を生かして、メルカリのミッション・ビジョン・バリューを明確にし、創業わずか5年で上場を果たしました。
実際には自然に目につくような場所にビジョンを掲げることやTシャツを作ることなど、内部に浸透するように努めたことがより効果を生んだと考え得られています。企業が何のために存在しているのか明確にすることで、方向性がブレずに、社員のモチベーションの維持にも繋がります。

ミッション・ビジョン・バリューの決め方

①ミッション・ビジョン・バリューそれぞれの定義を明確にする

まずは、それぞれの定義の明確にします。
前述のように、それぞれの定義を混同してしまうことが多いので、認識にズレがあると、ディスカッション中に価値観のズレが生じてしまいます。
ズレがないように、ディスカッションを行うチームで定義の擦り合わせを行います。

②アウトプットする

経営に関わるすべての人でミッション・ビジョン・バリューに関するアウトプットを行います。アウトプットの実行方法は多数ありますが、一般的にはそれぞれの項目に対してブレインストーミングを行います。ブレインストーミングを行う際には、チームの意見を否定しないことが大切です。より多くの意見や価値観はその後のディスカッションに深みを生み出します。大きな内容も小さな内容も、被りなど気にせずにより多くのアイデアをアウトプットしましょう。
また、ミッション・ビジョン・バリューは一気に決めるのではなくて、分けて作成するべきです。まずは、ビジョンを決定後にミッション、その後社内メンバーを巻き込んでバリューを決定しましょう。

③アイデアから重要な価値観を見出す

アウトプットを行った内容に関して、全員で議論します。そして浮かび上がってきた重要なポイントに注目していきます。
アウトプットをグルーピングして、見えた項目にプロット化すると、議論がスムーズになります。

④価値観を文章化する

最後に価値観をわかりやすい文章にまとめます。この文章はHPに掲載したり、ステークホルダーが確認したりと、企業の顔となるような存在のため最後まで妥協せずに話し合いを重ねましょう。
議論が難航することも多く、スムーズに決定することは難しいですが、会社の方針を決める重要なステップですので、ディスカッションを行うチーム全体が腹落ちするまで、粘り強く議論することが重要です。

⑤発表する

社内に発表する際は、「なぜ新たなミッション・ビジョン・バリューを定義したか」「それぞれの重要性」「決定までの経緯」「具体的にどう行動に移してほしいか」「今後変化していくことや、予定」などを発表します。会社全体の大きな発表ため、特別なタイミングに発表することが望ましいです。社内浸透はミッション・ビジョン・バリューを実体化していく上でとても重要な行動なので、第一印象が良いように動画を作ったり工夫して印象に残る発表を意識するとより効果的な発表にすることが出来ます。
社外に対しては、社内に発表してからか発表した後に開示します。HPのニュース欄や特設サイトなどを使って、自社の羅針盤に理解してくれるステークホルダーを増やすよう努力します。

⑥定期的に内容を確認

ミッション・ビジョンが企業の顔として機能しているか。ミッションは的確に今の自分達の存在価値を映し出しているか、ビジョンは未来の社会にとって必要な内容になっているか。バリューは社員の人数の変動などに対応できているか。多くの内容を定期的に経営陣が確認していく必要があります。それによって対外的にも、内部的にも愛着の湧くミッション・ビジョン・バリューに成長させることが出来ます。

まとめ

ミッション・ビジョン・バリューそれぞれの定義から必要性、定め方についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
「果たすべき使命」「未来の姿」「価値や行動基準」とすごく企業の色を映し出してくれる内容だからこそ、じっくりと時間をかけて納得のいく内容を示すことが重要だと理解できたのではないでしょうか。必要性の例からも将来性のある企業として決めるべきな理由や実際に売上につながっていることが理解を深めてくれたと思います。
企業にとって羅針盤とも言える大事な3要素を理解し、自社のミッション・ビジョン・バ
リューの見直しをしてみてはいかがでしょうか。