翻訳記事

ブランディングをアジャイルにすることはできるのか?②

前回に引き続き、海外におけるブランドがアジャイルできるかという事例をピックアップします。

可能な部分と課題が浮き彫りになっているので、是非ご覧いただければ幸いです。

※この記事は、https://medium.com/lucidpress/how-airbnb-and-apple-use-storytelling-marketing-to-build-their-brands-69392b8a659cを引用・翻訳した物です。

 

Contents

改めてUXとは?ブランディングとは?

UXについて話すとき、私はジェフ・ゴセルフの素晴らしい本「リーンUX」からインスピレーションを得ます。 リーンUXは、デザイン思考、無駄のない起動方法、アジャイルソフトウェア開発に基づいています。 

UXの核心は、人々の関心事を理解することを目的としていること、つまり共感することのルールです。 UXデザイナーとして、洞察を常にプロトタイプに変え、コラボレーションを行い、優れたエクスペリエンスを構築します。 

UXチームはウォーターフォールタイプの無駄(長い会議、重いドキュメント、ロードマップなど)を回避しようとします。顧客を理解し、プロトタイプを作り、フィードバックを聞く役割を担っているのです。

一方、ブランディングについて話すとき、私はブランドを代理・冒涜・一連の期待全体への近道・世界観のつながり・経験・そして製品やサービスの約束と定義する方法を基に構築したいと思います。 

これに続いてブランディングは、人がブランドについて持っている認識と経験に、意味や明確性、一貫性をもたらすために使用できるプロセスとして使用されます。 

このプロセスには、コミュニケーションの側面よりも、経験の方がますます多く含まれます。

UXとブランディングの組み合わせ

UXとブランディングがどのように連携して機能するかを一例を挙げて説明します。 UXは人々を理解するのに非常に優れており、ブランディングは人々がその結果を理解できるようにアイデアを位置付けるのに非常に適しています。

1.顧客インサイト:すべての製品が答える必要がある質問は「その製品は誰のためにあるのか」です。

これは、顧客と製品に対する顧客の価値を識別することを意味します。 そしてUXはこれを理解するのに非常に優れています。決してブランディングは価値識別が不得意なわけではありませんし、UXが主導するイニシアチブが常に成功するということではありません。

UXは識別のための優れた一連のメソッドを構築しており、そのほとんどは単純明快で本当に無駄のないものです。

最も重要なのはUXメソッドに無駄がなく動的で、使いやすいことです。 そして、それらはUXまたはブランドデザイナーによってニーズに適応させることができます。 UXは、その存在意義の設計において、聴衆の声を聞きながら協力してきました。

2.参照フレーム:オーディエンスを理解することはブランディングの中心にあるものと思われます。「それは何ですか?」「どのようなものですか?」などの質問が、簡単且つ非常に効果的です。

それらの質問が無視されていると、製品が見つけられない可能性があります。 特にハイテク企業では、顧客の認識の変化を知らずに、製品に新しい機能を追加することにより、この罠に陥ることが多いようです。 多くの場合、製品に関する不確実性が生じます。 これは製品チームのブランドデザイナーの活動停止に繋がります。

イノベーション主導の取り組みでは、これは顧客セグメントと価値提案を特定することと同じくらい重要です。 新しいものを世界に持ち込むとき、人がそれを入れることができる明確なカテゴリがない限り、イノベーションが成り立つことはできません。

誰かがUberを「見知らぬ人と車に乗ることになるが、お金をかけずに済むサービス」として売り込んだと想像してみてください。 「1セントはその体験には高すぎます」「タクシーのようなのにも関わらず料金は安くなります」などとシチュエーションによって同じ製品に対しても大きな違いをもたらします。

初期段階から一緒にアプローチすることは極めて重要です。顧客を理解し、フレームを正しく設定することは、設計プロセス中に連携して行う必要があります。 どちらも製品に焼き込む必要があるからです。 このため、UXとブランドデザイナーは、オープンで反復的かつ協調的な方法で協力する必要があります。

今後挑戦すべきこと

このアプローチは非常に価値がありますが、課題もあります。 UXが重要なフィードバックを得るためには初期リリースと大まかなリリースが要求されます。一方で、ブランディングはアイデアが完全に具体化される前にリリースされている場合は、慎重になる傾向があります。

まとめ

顧客インサイトと参照フレームという2点に基づくことによって、UXとブランディングは初期段階から一緒にアプローチできることに言及しています。

一方で課題として、時間軸が挙げられます。

UXは、リリースしてから重要なフィードバックを受け良化していくという性質があり、ブランディングは、完成に近いリリースが伴わないとブレからブランド体験を生み出しにくいという相反する部分については、この取り組みでは解消できてないです。

reiroでもこの相反する状況下であっても、有効なブランディングができるように様々なケースを模索しています。また改めて成果に残る発見があった場合は、この記事のように言及したいと考えています。