昨今、ブランディングという言葉はあらゆるところで聞かれるようになりました。テレビでも普通に使われていたり、身近に浸透していることは大変喜ばしい限りです。
しかし、ブランディングの意味について問われた時、明確に答えられる人は少ないのではないでしょうか?これは、ブランディングという言葉の解像度が理解を阻害していると言えます。改めてここで、ブランディングの意味について言及したいと思います。
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ブランディングの意味の前に、まずブランドとは?
実は、ブランドの意味はアカデミックの世界でも結論が出ていないと言われています。様々な領域にまで及ぶブランドの概念を正しく理解することが難しい、ということを表しているのかもしれません。ただ、上流の部分は予々一致しており、そこから弊社の定義も設定しております。
弊社が定義するブランドの意味は、
「人それぞれの心に浮かぶイメージ」
です。
これは、
・ブランドが無形物であること
・ブランドを保持しているのは企業や事業でなく顧客であること
を示しています。この2つをしっかりと理解することが、ブランディングを理解するための必須事項です。
ブランディングの意味とは?
では、ブランディングはどういったことを指すのでしょうか?
そのまま捉えると
ブランド+ing
つまりブランドの進行形です。
先ほど定義したブランドを進めることがブランディングということになります。さらに解像度を上げて掘り下げていきます。
ロンドンにある世界的なブランディングファームであるインターブランド社では、ブランディングについて、
「顧客の頭の中にある”識別”を、意図した方向へ導き、全てのビジネスプロセスを丁寧にマネジメントする活動」
と定義しています。ここにある”識別”は、先ほど述べた「ブランド」を意味しています。
言い換えると、
「顧客の持つブランドを意図した方向へ導き、全てのビジネスプロセスを丁寧にマネジメントする活動」
ということになります。
ブランディングの意味から学ぶ、ブランディングの大切なこと
「ブランドを意図した方向に導く」ということは、自らのアクションではなく、顧客の頭をコントロールするということになります。従って、自社の持つサービスの価値を知り、顧客が本当に望むものを知ることが重要です。
また、「全てのビジネスプロセスを丁寧にマネジメントする」ということは、顧客と接するあらゆるタッチポイントに対して一貫したブランド体験を提供しなければ、顧客の持つブランドにブレや濁りが生じるということです。
言い換えると、どのようなデザインやPR活動が大事という手段の話より、その手段を実行するブランドコンセプトに値する部分が極めて重要であること、そしてそれを関わる全ての人が理解しマネジメントすることが重要であることを示しています。
まとめ
このように、ブランディングの意味を理解していただけると、まずブランドを持つのは企業や事業ではなく、顧客であることがわかると思います。これを意識するだけで、ブランディングの捉え方が大きく変わると考えます。
その顧客が持つブランドを成長させる=ブランディングを行うためには、顧客のブランドに関わる全ての人がマネジメントされていないと、顧客に対して正しいブランディングが提供できないということが理解できるのではないでしょうか。