ブランディング

色がブランドに与える心理的影響とは?色とブランディングについて

みなさんは「色」を意識してブランディングに活かしていますか?人間がは視覚的な情報から多くの情報を判断しています。どのように色はブランドに影響を及ぼすのでしょうか?色が人に与える影響、そして各色が持つ特徴について見ていきましょう。

Contents

色が人に与える影響について

「色」が人に与える影響はどのようなものがあるか、考えたことありますか?私たちの周りには、さまざまな色に囲まれています。そして無意識のうちに色に誘導されているのです。

また、人間は8割以上の情報を「視覚」から得ているともいわれています。色の心理効果を上手く利用したデザインは、人の感情を動かすことも可能だとされています。

具体的に色が人に与える影響は、4つあるといわれています。
「心理的影響」「生理的影響」「感情的影響」「文化的影響」です。

「心理的影響」は、暗記力や認識力の向上につながります。各企業やブランドのロゴには色があり、その色を通してブランドを連想させることができます。例えば、空=青、トマト=赤、理容室=赤と青など。これらのように、人々の間で共通したイメージカラーを上手く活用することで、商品やブランド、企業のイメージを強く残すことが可能になります。

「生理的影響」は人間の神経や細胞へのさまざまな影響です。色によって、心拍数を挙げたり、リラックス効果が期待できるものがあります。一般的に、明るい赤は、交感神経に刺激を与えるために、血圧を上昇させる効果があるとされています。一方で、緑や青はリラックスする効果があります。色は、私たちの神経まで大きな影響を及ぼすのです。

「感情的影響」は人の感情や気分に与える影響のことを指します。色によって、明るい気分、暗い気分、リラックスした気分などさまざまな感情が湧きます。例えば、黄色を見ると明るい気分になったという経験はありませんか?対象とする顧客に抱いて欲しい感情を考えて、ブランドイメージなどを考えることも良いでしょう。

「文化的影響」は文化によって異なる色のイメージです。国や地域によって、形成された文化は異なりますが、色に対する印象も異なります。
例えば、西洋文化では黒色が死の象徴ですが、東洋文化では白色が死を象徴する色として捉えられています。このように、幅広い国や地域に展開していく場合、文化的影響を考えて、色の印象を考えることが大事です。

国や地域によって異なる色の意味

「文化的影響」はなぜ生じるのか、そしてどのように捉え方が違うのかを見ていきましょう。

文化的影響が生じる理由

国や地域によって、色に対する印象が異なる理由は何でしょうか?
一つは、「文化や歴史」による違いがあります。日本では、紫=高貴・優雅といったイメージがあります。それは、飛鳥時代に聖徳太子がつくった官位制度「冠位十二階」の中で、紫が一番位が高いとされていたからです。そのため、冠位制度がなくなった現在においても、色の印象が受け継がれているのです。
このように、長年培ってきた文化や歴史によって、無意識に色への印象が浸透しているのです。
二つ目には、「目の色の違い」があります。人種によって、目の色が違います。メラニン色素の数の違いにより、光の感じ方や色彩感覚に影響を及ぼすことがあるのです。メラニン色素が多い、目の色が黒い人に比べて、メラニン色素が少ない、目の色が青い人は2倍も眩しく感じるという結果もあります。そのため、国によって照明の明るさが違う場合もあるため、注意が必要です。
三つ目に、「太陽の光の違い」があります。赤道に近いほど赤みが強調され、赤道から離れるほど青みが強調されます。それは、色の見え方が太陽の光の波長によって変化するからです。そのため、位置している国の場所によって、見えている景色の色味が変わってしまうことがあるといわれています。
また、日照時間の長さによっても色の見え方に差があります。

国や地域によって異なる色の印象

例えば、「黄色」は日本では、元気、勇気づけられる色として捉えらえることが多いです。しかし、欧米では「臆病」を象徴する色として考えられています。その理由として、キリスト教で裏切りものとされているユダが黄色の服を着ていたからとされています。
このように、国や地域の宗教によっても、色の印象が異なるのです。

「緑色」は東洋では、永遠・家族・平和といった意味がありますが、西洋では、春・誕生・お金といった意味があります。また、「赤色」は東洋では、幸福・繁栄といった意味があり、西洋では、興奮・危険といった意味となっています。色によっても文化的影響が大きい色もあれば、似たような意味を持つ色もあります。
ブランディングをする際は、国や地域の文化的背景を理解して、色を選びましょう。

各色の特徴

次に、各色の特徴を見ていきましょう。

赤色の特徴

赤色は、情熱・興奮・エネルギッシュなイメージがあります。また、人に与える影響も強いことが特徴です。赤色を取り込むことによって、売上を促進する効果もあるとされているため、商品パッケージや広告などでよく使われます。一方で、人に警戒心を抱かせることや、注意喚起をすることにも有効です。

ピンク色の特徴

ピンク色は恋愛・思いやり・母性といったイメージがあり、女性的なイメージを連想させます。そのため、女性をターゲットにした企業やブランドではよく使用されています。一方で、派手なピンク色になってしまうと、下品なネガティブなイメージを抱いてしまうため、注意が必要です。

オレンジ色の特徴

オレンジ色は、暖かさ・陽気といったイメージがあります。赤色と黄色の中間色であるオレンジ色は、比較的万人に受け入れやすい色としても考えられています。また、身体を活発にさせたり、食欲増進の効果があるとも言われており、飲食店のブランドカラーなどでもよく使われています。

黄色の特徴

黄色は、明るい・活動的といったイメージがあります。有彩色の中で、最も明るい色であるため、周りの色に関係なく認識することができます。そのため、注意を促す色として、工事現場や踏切といった場面で危険を表す色としても用いられます。

緑色の特徴

緑色は、安らぎ・調和をイメージさせる色です。他の色ともバランスよく中和できる中間色であり、癒しやリラックス効果が期待できます。そのため、リラックス感や安心感が求められる企業のブランドカラーでも使われています。

紫色の特徴

紫色は、高級感・エレガントな印象がある色です。そのため、女性化粧品やファッションブランドのイメージからとして採用されています。一方、不安定、不気味といったイメージがあるため、海外ではネガティブな印象を持つ方も多いとされています。

青色の特徴

青色は、爽やか・冷静・誠実などのイメージがあります。副交感神経を刺激し、気持ちを落ち着かせる効果があります。また、爽やかで清潔感のある印象から、清涼飲料水のブランドカラーとしても利用されています。

ブランディングと色の重要性

ブランディングにおいても、色が与える影響を考慮して、ブランドカラーやロゴ、ウェブサイトなどの色の組み合わせを考えていくことが重要になってきます。これまで紹介してきたように、色が持つイメージによって、企業やブランドのイメージが左右されてしまうからです。
どのようなブランドのイメージを発信したいのかをまずは考え、顧客目線でイメージを考えていきましょう。そして、文化や地域による色の印象の違いも合わせて確認し、色の特徴を踏まえたブランディングを行っていきましょう。

まとめ

「色」が与える人間への影響、そして各色の特徴は理解できたでしょうか?色は4つの影響を及ぼします。それぞれの影響を上手く利用し、ブランディングに活かしていくことが必要です。