※この記事はhttps://en.99designs.jp/blog/business/understanding-brand-personality/を引用・翻訳したものです。
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ブランドパーソナリティを構成する5つの要素
会社によって、アプローチ、戦略、さらにはパーソナリティなど、状況が大きく異なります。しかし、ブランドパーソナリティに対する目標は、すべての会社にとって共通しています。
具体的にはどのような要素が共通しているのでしょうか?
次の5つの要素を見ていきましょう。
1.”Authenticity” =信憑性
ブランドパーソナリティはあなたのビジネスゴールと企業文化を常に反映したものである必要があります。特に若い消費者は、企業が誠実であったり、トレンドを取り入れたりしているものに飛びつきます。
2.”Memorability”=記憶性
とくに新しいブランドにとって必要なもので、覚えてもらうために記憶に残るものである必要があります。面白い見た目や、遊び心のある言葉は知られていないスタートアップを誰もが知っているくらい有名な起業にする可能性があります。
3.”Value”=”価値”
つまりは、あなたのビジネスの’内容’です。あなたは他では得ることができない、どんな価値を顧客に提供しますか?製品の種類や、質、価格、そして自分たちを他社に比べて印象付ける方法はどうなっていますか?ブランドパーソナリティは、ビジネスモデルを補完するものである必要があります。
4.”Trustability”=信頼性
例えばNYの全てのピザ屋さんは自分の店が一番おいしいといいますが、真実を伝えているのはたった一店舗です。人と同じようにもしもあなたのブランドが嘘をつくようであれば、人々は耳を傾けなくなるでしょう。
5.”Authority”=説得力
顧客はそのブランドがそのビジネス分野において専門家であることを期待しています。
自分が誰であるかを自信を持って体現しているブランドパーソナリティは、より多くのビジネスをひきつけます。
では、次の章でこれらの要素をブランドパーソナリティに落とし込んでいくのか見ていきましょう。その前に、まずはブランドパーソナリティとブランドアイデンティティの違いについて軽く説明しましょう。
事例:
砂時計とDNA鎖を組み合わせるような視覚的なギミックは、言葉によるギミックと同じように考えることが必要なため、見た人の記憶に残るのには最適です。
Costin Logopusによるロゴデザイン。
ブランドパーソナリティとブランドアイデンティティ
これら二つの言葉はよく混同されがちです。しかし、2つの概念の違いに気づき、その違いを理解することで、それぞれを最大限に活用することができます。
ブランドパーソナリティとはあなたのブランドの人間的性格のことです。
例えば常に上機嫌なブランドや、情熱的なブランド、静かなブランドなどが該当します。
一方でブランドアイデンティティとは、ブランドの個性の現れをさします。
例えばロゴや色調、ブログで使う語り口調(トーン・オブ・ボイス)などが該当します。
プログラミングでたとえるとすれば、ブランドパーソナリティをバックエンド(舞台裏の要素)、一方のブランドアイデンティティをフロントエンド(ユーザーが直接目にするもの)と考えることができます。
ここからわかるように、これら二つの言葉はとても似ています。もう少し違いを明確にするために、4つのブランドアイデンティティの要素を見ていきましょう。
1.”Color scheme” 色調
カラーセオリーによると、それぞれの色は見ている人から特定の感情的反応引き出します。そのため、同じ業界のブランドは同じ色を好む傾向があります。
2.”Shapes” 形
色と同じようにあなたがブランドイメージで使う形も見ている人から感情を引き出します。
例えば、丸や曲線は遊び心や開かれたイメージを持つのに対し、鋭い直線は堅い印象を与えます。
3.”Typography” 書体
ブランドを表示する書体は先にも述べられていたようにとても重要です。フォントやスタイル、そしてサイズは書かれた言葉の意味とは個別に印象を与えることができます。
4.”Brand voice” ブランドボイス
いつも視覚だけを顧客が頼りにしているわけではありません。顧客はあなたのブランドパーソナリティを視覚だけでなく、ソーシャルメディアでの話しかけ方からも認識していきます。
これらのブランドアイデンティティも重要ですが、色を選んだり、ウェブサイトを作り上げるまえに、できるだけ正確にブランドパーソナリティを決定する必要があります。
もちろんそんなに簡単なことではないので、次の章で専門家からの3つのアドバイスを紹介します。
どうやってベストなブランドパーソナリティを確立していくのか?
先ほど述べたように、ブランドパーソナリティの目標は同じですが、それに対する手法は個々のビジネスによって形作られていくはずです。言い換えれば目的地は同じでも、たどり着く方法は全てあなた次第ということです。
では、あなただけの方法を作っていくための3つのヒントを見ていきましょう。
1.ターゲット顧客に応える
世界に名高いファッションブランドであるシャネルの独立性が高く、洗練されたブランドパーソナリティは、ターゲット顧客の高いファッション性に完全に適合しているため、約1世紀にわたってうまく機能してきました。しかしDollar Treeなどのバーゲンブランドでそのブランドパーソナリティを試すとしたら、それは大惨事を引き起こすことになるでしょう。
ブランドの個性の最優先事項は、ターゲットの顧客の好みを満たすことであり、経営者の好みよりも重要です。 理想的には、顧客が誰であり、何が欲しいかをしっかりと把握していることです。適切なターゲット層の把握の有無に関わらず、定量的な顧客データを収集することは、自分では推測できなかった洞察を明らかにすることもできるでしょう。
事例:多くの企業のブランドモチーフとして犬を使用していますが、ペット業界では他の業界で見られるような怒っていたり怖い犬ではなく、ほとんどが幸せそうな犬です。 これは、ターゲット顧客であるペットの飼い主が、自身の犬との良好な関係性を想像し、幸せそうな犬によく反応するからです。 (DSKYによるロゴデザイン)
2.形容詞のリストを作成して、理想的なブランドの個性を説明してみる
これは、ブランディングの初心者向けに設計された簡単な演習で、アイディアを出すのに役立ちます。 特徴の決定に問題がある場合は、ブランドの個性を表すのにぴったりな形容詞のリストを作成してください。 「若々しい」「エネルギッシュな」「情熱的な」などの言葉を挙げればより個性を磨くことができ、「安価」「便利」「ユーザーフレンドリー」などの言葉を使うと、価値を固め、あなたのブランドの市場での位置を掘り下げることができます。もちろんここでも、ターゲットとする顧客層の好みと期待を念頭に置いてください。 このリストの言葉はあなたよりも彼らにアピールするもののはずです。
3.ブランドが人間だったらと想定してみる
これは少しおかしいように感じるかもしれませんが、それはあなたのブランドを生きているものとして視覚化し、ブランドのペルソナを作るのに役立ちます。 ブランドパーソナリティの方向性を決定できない場合は、理想的なブランドが実在の人物であり、パーティーで初めて会うことを想像してみてください。 次の質問を自問してください。
-どのようにに挨拶するだろうか?
フランクに挨拶するか、丁寧に堅いお辞儀をするだろうか
-どのように振る舞うだろうか?
直球的に物事を話すのか、ジョークがすきなのか
-何について話すだろうか?
社会情勢について?それとも聞き上手なのか
-どのような装いだろうか?
きらびやかなのか、シンプルなのか
もちろんこれらの質問があなただけのブランドパーソナリティを作るうえで必要な解答全てを用意してくれるわけではありませんが、一度明確にどんなブランドなのかを決めたら後の詳細は自然とついてくるでしょう。これらのヒントを出発点として使い、あなただけの完璧なブランドパーソナリティができるまで問い続けていきましょう。
どんなブランドも一人歩きはしない
人々があなたのブランドをどう認識するかは主観的です。 しかし、それはあなたがそれを受け取り手の偶然性に任せなければならないという意味ではありません。 ブランドの個性を積極的に理解して形成することにより、ブランドの評判を手に入れることができます。
ブランドパーソナリティを知ることはそのブランドにとって一つの大切なことですが、その個性をロゴ、ウェブサイト、商品という形にしていくことは別のことです。何を達成しようとしているのかが分かれば、ブランディングのあらゆる側面でブランドの個性を活かすことができます。