ブランディング

ブランディングの持つ効果とは?強いブランドが持つ優位性「曖昧性」について

ここではブランディングの効果による優位性の一つとして、「曖昧性」を取りあげます。

消費者の意思決定の過程で曖昧な情報があるとき、ブランドが強い効果を発揮します。消費者が曖昧な情報に接したとき、消費者が用いるのはそのブランドに以前からもっていた知覚や体験です。 以前にブランドに対してポジティブな評価をもっていた場合、消費者がそのブランド対して様々な知覚や体験をもっているほど、消費者のそのブランドへの評価はより高いものとなります。そして、消費者はブランド名を、商品特性を信頼するシグナルとして用います。

では、具体的に「曖昧性」の内容について掘り下げていきたいと思います。

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強いブランドが持つ優位性「曖昧性」とは?

例えば、あなたが大好きな(と仮定して)アップルの新製品のCMを見たとします。15秒のCMの中で製品の情報はわずかです。しかし、その製品のことが深く分からなくても、

「アップルの新製品なら、きっと高性能で革新的!」と、過去の情報から類推し、混乱が生まれず興味を持つことができるのではないでしょうか?

これはブランドが持つ「曖昧性」を補完する力が影響しています。

過去のブランドに対しての情報が顧客に蓄積されており、その情報を通じてブランドに対して良い情報を持っていれば、企業側の情報が曖昧であっても、顧客は良い方向に自身で補おうとするのです。

そして「曖昧性」は、過去のブランド知見や顧客のブランド依存度が高ければ高いほど、強烈な力を発揮します。

ブランドにとって「曖昧性」を補完する効果が重要視される背景

企業と人の接点は、想像以上に少ないです。誰しも平等と言える時間の中で、自身の商品やサービスをアピールする時間はほんのわずかと考えた方が賢明かもしれません。

情報発信が簡単になる世の中だからこそ、以前より競合情報との競争が激化していると考えます。

その限られた時間の中で、効率的に情報を伝えるためには、強いブランドが持つ「曖昧性」を補完する力が効果を発揮します。

ブランドの「曖昧性」に対して、補完されるイメージ

「曖昧性」に対して、過去の知見から補完される場合、現在までの企業が行ったブランド戦略に強く影響を受けます。

例えば、現在まで「優しそう」なブランドイメージを付与する戦略をとっていた場合、新たな施策を打ち出した際に「曖昧性」を「優しそう」なイメージで補完します。

逆にいうと、今までのブランドイメージと真逆の施策を打ち出した場合、本来狙っていた効果に反作用することがあります。安さが売りのブランドが高級品を販売した際に、安っぽく見えてしまうことも、お買い得に見えてしまうこともあり得るということです。

ブランドイメージの蓄積が、「曖昧性」の強化につながる

このように、ブランディングされたイメージが蓄積される事によって、「曖昧性」を良い方向に補完することができます。この状態を生み出すには、現在までの一貫した蓄積価値からもたらされるものです。ブランドは一朝一夕ではできません。顧客の中にある識別をブランディングによって意図した方向にコントロールする事により、やがてブランド名が商品特性を信頼するシグナルとして用いられるようになります。

まとめ

強いブランドが持つ「曖昧性」の補完を活用する事によって、商品を信頼するシグナルにまでなり得ます。意図した「曖昧性」の補完を持つまでには、他の優位性と比べて長い蓄積が必要になりますが、効力を発揮されれば、あらゆるシーンでポジティブに働きます。

そのためには、まずブランドプロポジションを設定し、一貫したブランディングを継続するほかありません。ブランディングを継続蓄積し、「曖昧性」の補完を味方につけてみてください。