ブランディング

ブランディングの持つ効果とは?強いブランドが持つ優位性「記憶」について

ここではブランディングの効果による優位性の一つとして、「記憶」を取りあげます。

「記憶」とは、ある特定のブランドについて顧客が知っていることで、より精緻な記憶構造が形成され、新しい情報とのリンクが形成されやすくなります。

では、具体的に「記憶」の内容について掘り下げていきたいと思います。

Contents

強いブランドが持つ優位性「記憶」とは?

例えば、あなたが新しいハンバーガーが発売されたという情報をSNSで入手したとします。その際に、一方は「マクドナルド」の新商品。他方は「全く聞いたことない」店舗の新商品だったとします。双方の広告の質が同等の場合、あなたは前者の情報の方が「記憶」に残るのではないでしょうか?

これこそが、まさにブランドがもたらす「記憶」の正体です。また、その情報が蓄積されることによって、その人にとってのブランドは強化されます。

「去年はこんな期間限定商品だったなぁ。その時は買い逃したから、今回は行ってみよう」

など、以前の情報ともリンクし、深い記憶が形成されます。この連鎖によって「記憶」は強化され続けます。

ブランドにとって「記憶」の効果が重要視される背景

人々は世に溢れる情報のなか、日常を過ごしています。かつての日本では情報ツールもテレビや新聞など、特定の媒体に限られていました。従って、人々に記憶される情報もある程度収束していました。

現代では、インターネットが普及し、誰でも簡単に情報が入手できる世の中になりました。むしろ情報を入手するのではなく、浴びていると言っても過言ではない状況です。媒体も多様化し、文字だけでなくあらゆる手段で情報伝達することができます。知らず知らずのうちに人々は情報の取捨選択を強いられるのです。しかも、多くは無意識のうちに取捨選択されています。

ブランドの手がかりによって、選ばれ「記憶」に残る

そこで、ブランドの「記憶」の効果が発揮されます。

あらゆる情報の波から顧客に気付いてもらい、「記憶」に残るためには、ブランドの力が不可欠です。ブランドが強いことによって、それを手がかりに情報を引き上げてもらい、「記憶」に残ることが可能になります。また、そこから新たなブランドの「記憶」が形成されることによって、より強いブランドにつながります。この連鎖を生むことが、企業や事業にとってブランドという資源を最大限に利用する鍵となります。

ブランドの「記憶」の力を有効的に使うために

一方で、ブランドの力があるからといって、全てが「記憶」に残るかというとそうではありません。あくまで、強いブランドと弱いブランドの情報が同一で合った場合の優位性を指します。では、どのようにすれば有効的に利用できるのでしょうか?

ブランドの情報の一貫性によって、「記憶」はより深くなる

まずは、自身のブランドがどのような「記憶」をされているか認識することが大事です。この「記憶」と異なる情報を提供した場合、顧客は自分の中にあるブランドの「記憶」を結び付けることができず、「記憶」に残る可能性が減ります。

自身のブランドを認識することによって、効果的なブランディングを行い、「記憶」の力を最大限に利用することができます。

ブランドのギャップを狙う場合でも、「記憶」の認識が重要

また、強いブランドがあえて認識されている「記憶」を外して、ギャップで目立ちを図るケースもありますが、この場合でもブランドがどう「記憶」されているか認識することによってギャップを生むことができます。一方でこの戦略では、インパクトはありますが、以前の「記憶」とつながらないため、長期記憶には残りづらいことに注意が必要です。またブランドのらしさと反作用して、ブランドイメージが意図しない方向に形成されることは注意が必要です。

弱いブランドが、「記憶」によってブランドを育てる

また、弱いブランドにとっても同様で、どのように「記憶」されたいかしっかりと認識することが、強いブランドへの近道です。一貫したメッセージを届けることによって、顧客にとって「記憶」がよりブライトになり、強いブランドへの近道となります。

まとめ

強いブランドには「記憶」が大きく作用してきます。これを上手く味方につけることにより、企業や事業は様々なメリットを享受できます。また、ここではわかりやすく広告を例に挙げていますが、これは営業活動などでも同様で、顧客と接点が発生する場面(タッチポイント)あらゆる全てで発生します。

この「記憶」を生かすには、自身のブランドの在り方を見直すことが必要不可欠となります。

是非、一度ブランドがもたらす「記憶」を意識して、ブランド作りに取り組んでみるのはいかがでしょうか?