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統合報告書の制作費用相場|費目別内訳・規模別300万〜3,000万円と制作会社の選び方

統合報告書の制作費用は、企画・編集設計、取材・ライティング、デザイン・DTP、撮影、翻訳、印刷、Web・PDF化の費目で決まります。初回40P前後300万円〜、大企業3,000万円超までの規模別相場、依頼先別の違い、6〜9ヶ月のスケジュール、見積の確認点と制作会社の選び方を解説します。

📌 この記事のポイント

  • 統合報告書の費用は企画・編集設計/取材・ライティング/デザイン・DTP/撮影/翻訳(英語版)/印刷/Web・PDF・HTML化の7費目に分けて比較する。第三者保証は別契約
  • 総額の目安は初回発行・40P前後で300万〜800万円/標準的な60〜80Pで800万〜1,500万円/大企業・100P超で1,500万〜3,000万円超
  • 依頼先はIR専門制作会社/広告代理店/ブランディング会社/デザイン事務所・フリーランスで得意領域と費用構造が異なる
  • 費用対効果を最も左右するのは価値創造ストーリーとマテリアリティの設計。ここが曖昧だと修正が増え、費用も膨らむ
  • スケジュールは発行日から6〜9ヶ月逆算が基本。決算確定後の数値差し替えを前提に工程を組む
統合報告書の制作会議

「来期から統合報告書を発行することになった。予算を出してほしいと言われたが、相場がまったくわからない」。IR・広報・経営企画の担当者から、こうした相談を受けることは少なくありません。実際に見積を取ると、同じ60ページ想定でも400万円の会社と1,800万円の会社が並ぶことがあります。

この差の大半は、デザインの巧拙ではなく、どこまでの業務を制作会社が担うかの違いから生まれます。原稿を社内で用意してデザインだけ依頼するのか、経営陣インタビューから価値創造ストーリーの構築、英語版、Web版までを一括で任せるのかで、総額は数倍変わります。

本記事では、投資家・アナリストなど資本市場向けの開示物としての統合報告書(統合レポート)、アニュアルレポート、サステナビリティレポートの制作費用を扱います。取引先や採用候補者向けの会社案内は目的も読者も異なるため、費用感は会社案内・パンフレット制作費用の相場をご覧ください。また、ESG経営そのものの考え方はESG経営とはで解説しており、本記事では扱いません。

本記事の監修:株式会社レイロ ブランドディレクター/ブランディング支援200件以上/BtoB技術企業や老舗企業のMVV策定、CI・VI開発からコーポレートツール制作までを一貫して手がけるクリエイティブファーム

1. 統合報告書の制作費用は7費目に分けて考える

統合報告書の見積は「制作一式」とまとめられがちですが、中身は次の7費目の合算です。複数社の見積を比較するときは、まずこの費目ごとに「含む/含まない/別途」を揃えることから始めます。

費目 金額レンジの目安 主な内容
① 企画・編集設計費 50万〜400万円 現状分析、読者設定、価値創造ストーリーの構成案、台割、編集方針、マテリアリティとの整合確認
② 取材・ライティング費 1本5万〜30万円/総額50万〜500万円 経営陣・事業責任者インタビュー、原稿作成、社内原稿のリライト
③ デザイン・DTP費 1P2万〜8万円/総額80万〜800万円 表紙・トンマナ設計、インフォグラフィック、価値創造プロセス図、データページの組版
④ 撮影費 20万〜200万円 役員ポートレート、事業所・工場・製品、社員の働く様子
⑤ 翻訳費(英語版) 1P1万〜4万円/総額40万〜400万円 英訳、ネイティブチェック、英語版DTP
⑥ 印刷費 30万〜300万円 部数・用紙・加工による。PDFのみの発行なら0円
⑦ Web・PDF・HTML化費 10万〜500万円 検索・リンク付きPDF、HTML版の特設サイト、アクセシビリティ対応

第三者保証は別予算で確保する

温室効果ガス排出量などの非財務データに対する第三者保証(限定的保証など)は、制作会社ではなく監査法人や認証機関との別契約になります。制作費の見積には通常含まれないため、予算取りの段階で別枠として計上しておかないと、後から慌てることになります。

見落とされやすいのは①と⑦

①企画・編集設計費が0円や少額の見積は、構成と原稿を発行企業側で用意する前提であることが多いです。初回発行で社内にノウハウがない場合、この費目を削ると後工程の修正が膨らみます。

⑦Web化は、PDFを置くだけなら数万円ですが、HTML版で各章を独立したページにし、コーポレートサイトのIR・サステナビリティページと連動させると数百万円規模になります。サイト側の改修費はコーポレートサイト制作費用の相場も参考にしてください。

統合報告書の構成とページ設計の検討

2. 規模・ページ数別の総額相場

統合報告書は、ページ数と制作会社の関与範囲によって総額が大きく変わります。以下は日本語版・英語版の両方を制作し、印刷とPDF版を含む場合の一般的な目安です。

規模 ページ数の目安 総額の目安 想定される企業像
初回発行・ミニマム 30〜40P 300万〜800万円 上場準備企業、スタンダード・グロース市場の初回発行
標準 60〜80P 800万〜1,500万円 プライム市場の中堅企業、2〜3回目の発行で内容を拡充
大企業・フルスペック 100P超 1,500万〜3,000万円超 多事業を展開する大企業、HTML版・動画・特設サイトまで展開

同じページ数でも金額が倍違う理由

60ページで見積が500万円と1,200万円に分かれた場合、主に次の違いがあります。

  • 原稿の作り手:社内各部署が書いた原稿を整えるだけか、制作会社が取材して書き起こすか
  • 価値創造ストーリーの構築:既存の中期経営計画をなぞるか、ゼロから構造を設計し直すか
  • 図解の量:テキスト中心か、価値創造プロセス図・ビジネスモデル図・KPIのインフォグラフィックを多用するか
  • 撮影の有無:既存写真の流用か、新規撮影か
  • 英語版の扱い:抄訳か全訳か、日英同時発行か

アニュアルレポート・サステナビリティレポートの場合

財務情報中心のアニュアルレポートは、統合報告書より企画・ライティングの比重が軽く、同じページ数なら2〜3割ほど低く収まる傾向があります。一方、GRIスタンダードなどに沿ったサステナビリティレポート(データブック)は、データ量が多くDTPと校正の工数がかさみます。ESGデータブックだけを切り出してWeb掲載する場合、100万〜400万円程度がひとつの目安です。

3. 依頼先別の相場と特徴

統合報告書の制作を依頼できる先は、大きく4種類に分かれます。

依頼先 総額の目安 強み 注意点
IR専門制作会社 500万〜3,000万円超 開示ルールや投資家目線に詳しい。翻訳・印刷・Web化まで一括対応 フォーマットが定型化しやすく、他社と似た誌面になることがある
広告代理店 800万〜3,000万円超 大規模案件の進行管理、動画・広告との連動 実制作は外部委託が多く、管理費が上乗せされやすい
ブランディング会社 400万〜2,000万円 企業理念・パーパスから価値創造ストーリーを組み立てる。トンマナ設計に強い 開示実務(財務データ、規制対応)は社内またはIR専門家との連携が必要
デザイン事務所・フリーランス 150万〜600万円 費用を抑えやすく、デザインの自由度が高い 企画・編集・翻訳は発行企業側で担う前提になりやすい

どの依頼先が向いているか

初めての発行で社内に編集ノウハウがないなら、構成設計から伴走できるIR専門制作会社かブランディング会社が現実的です。2回目以降で構成が固まっているなら、デザイン事務所に組版を任せて費用を抑える選択肢もあります。

「他社と同じような統合報告書になってしまう」という課題がある場合は、ブランディング会社の視点が役立ちます。価値創造ストーリーは、企業の存在意義や強みをどう語るかという点で、ブランドの言語化と本質的に同じ作業だからです。依頼先選びの全般的な考え方はブランディング会社の選び方でも整理しています。

統合報告書の構成や、価値創造ストーリーの言語化でお悩みの場合は、無料相談をご利用ください。予算規模や社内体制に応じた進め方を一緒に整理します。

経営陣インタビューと価値創造ストーリーの議論

4. 価値創造ストーリーとマテリアリティ設計が費用対効果を決める

統合報告書の制作で、最もお金をかける価値があるのは価値創造ストーリーとマテリアリティ(重要課題)の設計です。デザインがどれだけ美しくても、「この会社はなぜ、どのように長期的に価値を生み出すのか」が一本の筋で語られていなければ、投資家には伝わりません。

価値創造ストーリーはブランドの言語化と同じ構造

価値創造ストーリーは、一般的に次の要素で構成されます。

  1. 存在意義・目指す姿(パーパス、ビジョン)
  2. 強みの源泉(技術、人材、顧客基盤、歴史などの資本)
  3. ビジネスモデル(強みをどう価値に変換しているか)
  4. 戦略とKPI(中期経営計画、財務・非財務目標)
  5. リスクと機会、マテリアリティ
  6. ガバナンス(それを実行する体制)

1と2は、ブランディングでいうMVVの策定やパーパス・ブランディングの領域そのものです。ここが社内で言語化されていない状態で制作に入ると、原稿段階で役員の意見が割れ、構成の作り直しが何度も発生します。これが、統合報告書の費用が想定の1.5〜2倍に膨らむ典型的なパターンです。

マテリアリティは「選んだ理由」まで語る

マテリアリティは一覧表を載せるだけでは不十分で、なぜその課題を選び、事業戦略とどうつながっているかを示す必要があります。特定プロセスでは、投資家・顧客・従業員・地域社会などとの対話が欠かせません。その考え方はステークホルダー・エンゲージメントで解説しています。サステナビリティとブランドの関係はブランドとサステナビリティ、社会貢献活動の位置づけはCSRとブランディングをご覧ください。

ストーリーを「語れる形」にする

構造が固まっても、読み物として伝わらなければ意味がありません。トップメッセージや事業責任者のインタビューで、具体的なエピソードを通じて戦略を語ると、数字だけでは伝わらない企業の意思が読み手に届きます。物語として構成する技法はブランドストーリーテリングも参考になります。

reiroはBtoB技術企業や老舗企業のブランディング・ツール制作の実績があり、技術や歴史といった「見えにくい強み」を言語化し、ビジュアルに落とし込む工程を得意としています。

5. 費用が膨らむ5つの要因

見積額から最終請求額が大きく増える案件には、共通する要因があります。

要因1:構成の手戻り

台割確定後に「この章の順番を変えたい」「価値創造プロセス図を作り直したい」となると、ライティングとデザインの両方がやり直しになります。経営陣のレビューを構成案の段階で必ず入れることが最大の予防策です。

要因2:原稿の遅延と数値差し替え

決算数値は確定が遅く、校了直前に差し替えが集中します。差し替え回数が見積の想定を超えると、DTPの追加費用(1回あたり数万〜数十万円)が発生します。

要因3:レビュー関係者の多さ

IR、経営企画、サステナビリティ推進、法務、各事業部、役員と確認者が増えるほど、修正指示が分散し矛盾します。社内の窓口を一本化し、修正指示を集約してから制作会社に渡す体制が欠かせません。

要因4:英語版の後追い制作

日本語版の校了後に英語版を作ると、日本語の修正が英語版に反映されない事故が起き、二重の校正が必要になります。日英同時進行を前提にした進行管理が効率的です。

要因5:撮影・図版の追加

制作途中で「やはり新規撮影したい」「工場の写真が足りない」となると、撮影手配とスケジュール調整で費用も期間も増えます。撮影の費目と相場は企業撮影・写真撮影の費用相場で詳しく解説しています。

制作スケジュールと進行管理

6. 制作スケジュールは発行日から6〜9ヶ月で逆算する

3月決算企業が9〜10月に発行する場合、一般的には次のようなスケジュールになります。

フェーズ 時期の目安 主な作業
① 振り返り・制作会社選定 1〜3月 前年版の評価、投資家フィードバック収集、RFP作成、コンペ
② 企画・編集設計 3〜4月 読者設定、価値創造ストーリー構成、台割、マテリアリティ確認
③ 取材・撮影 4〜6月 経営陣・事業責任者インタビュー、役員ポートレート、事業所撮影
④ 原稿作成・デザイン 5〜7月 初稿、デザイン展開、図版制作、社内レビュー
⑤ 数値確定・校正 6〜8月 決算数値の反映、非財務データの確定、第三者保証との調整
⑥ 英訳・Web化・印刷 7〜9月 英語版制作、PDF・HTML版、印刷・納品

初回発行の場合は、価値創造ストーリーの社内合意に時間がかかるため、9ヶ月以上を見込むと安全です。制作会社の選定を年明けに始め、RFPを固めておくことで、見積比較の精度も上がります。RFPの書き方はブランディングRFPの作り方、社内の進行体制はブランディング案件の進行管理が参考になります。

7. 見積で必ず確認する8項目

# 確認項目 確認の意図
1 企画・編集設計の範囲 構成案・台割だけか、価値創造ストーリーの構築支援まで含むか
2 取材本数とライティングの担当 何本の取材が含まれ、社内原稿のリライトはどこまでか
3 デザイン提案の案数と修正回数 表紙・トンマナ提案は何案か、校正は何回まで含むか
4 数値差し替えの扱い 決算確定後の差し替えが何回まで見積内か
5 英語版の範囲 全訳か抄訳か、ネイティブチェックの有無
6 印刷仕様と部数 用紙・加工・部数による変動幅
7 Web版の仕様 PDFのみか、HTML版か、アクセシビリティ対応を含むか
8 著作権と二次利用 図版・写真を説明会資料やWebに転用できるか

特に8の図版や写真の二次利用は見落とされがちです。価値創造プロセス図を決算説明会資料や採用サイトに転用する場面は多いため、契約で利用範囲を明確にしておきましょう。契約書の確認点はブランディング業務委託契約のチェックポイントで整理しています。

見積の比較と確認作業

8. 統合報告書の制作会社の選び方

依頼先の種類を決めたら、個別の制作会社を次の観点で比較します。

観点1:構成提案の深さ

コンペでは、デザイン案よりも「御社の価値創造ストーリーをこう組み立てる」という構成提案を重視して評価します。自社の事業や強みを理解しようとする質問が多い会社ほど、制作段階での手戻りが少なくなります。

観点2:経営陣と対話できるディレクター

トップメッセージや経営陣インタビューは、統合報告書の核です。役員と直接議論し、言葉を引き出せるディレクターが担当につくかを確認しましょう。

観点3:自社業界の理解

製造業、IT、金融、小売などで、投資家が注目する論点は異なります。BtoB企業の場合、事業内容が一般に伝わりにくいため、技術や事業の仕組みを図解で翻訳する力が問われます。BtoB企業の伝え方はBtoBブランディングも参考になります。

観点4:他の媒体との一貫性

統合報告書のトーンが、コーポレートサイト、会社案内、採用ツールとバラバラでは、企業としての印象が積み上がりません。CI・VIやブランドガイドラインを踏まえてデザインできるかも重要な判断軸です。CI・VIを整備する場合の費用感はCI/VI開発の費用相場、ガイドラインを冊子化する費用はブランドブック制作の費用相場で解説しています。

観点5:開示実務のサポート体制

ブランディング会社やデザイン事務所に依頼する場合は、財務データの扱いや開示基準への対応を誰が担うかを事前に決めておきます。IR支援会社や監査法人との連携実績があるかも確認ポイントです。

9. 費用を抑える方法

方法1:初回はページ数を絞る

初回から100ページを目指す必要はありません。価値創造ストーリー、トップメッセージ、戦略、マテリアリティ、ガバナンスの核となる要素に絞った30〜40ページで発行し、2回目以降に拡充するほうが、内容の質も保ちやすくなります。

方法2:財務・ESGデータはWebに切り出す

詳細な財務データやESGデータは、冊子本体ではなくWeb上のデータブックとして掲載すると、DTPと翻訳のページ数を減らせます。

方法3:印刷部数を見直す

近年はPDF・Web版を主軸とし、印刷は株主総会や投資家面談で使う最低限の部数に絞る企業も増えています。印刷費だけでなく、配送や保管の手間も減らせます。

方法4:撮影と動画を同時に計画する

役員ポートレートや事業所の撮影は、会社案内、採用サイト、決算説明会資料でも使います。動画も同日に撮れば、ディレクション費やスタッフ費を一度にまとめられます。動画制作の費用感はブランドムービー制作の費用相場をご覧ください。

方法5:社内の原稿準備を先に進める

各部署からの原稿提出が遅れると、制作会社側の待機と再調整でコストが増えます。台割確定の時点で、部署ごとの担当者・提出期限・文字数を一覧化しておくだけで、進行は大きく安定します。

統合報告書の完成と投資家への発信

10. よくある質問

初めて統合報告書を発行する場合、最低どのくらいの予算が必要ですか?

一般的な目安として、30〜40ページ程度で日本語版・英語版を作り、PDFと少部数の印刷を行う場合、300万〜800万円程度を見込むケースが多いです。デザイン事務所に組版のみを依頼し、構成や原稿を社内で用意できれば150万円前後から可能な場合もあります。ただし初回は構成設計の負荷が大きいため、企画・編集設計費を削りすぎると、修正の増加で結果的に総額が膨らむことがあります。

統合報告書とアニュアルレポートは何が違い、費用はどちらが高いですか?

アニュアルレポートは主に財務実績を報告する年次報告書で、統合報告書は財務情報と非財務情報を結びつけ、長期的な価値創造の道筋を示すものです。統合報告書は価値創造ストーリーの構築や経営陣インタビューなど企画・ライティングの比重が大きいため、同じページ数であれば一般的に統合報告書のほうが2〜3割ほど高くなる傾向があります。

英語版は必ず作るべきですか?

海外機関投資家の保有比率が高い企業や、プライム市場の上場企業では、英語版の同時発行が望ましいとされています。費用は1ページあたり1万〜4万円程度が目安です。予算が限られる場合は、トップメッセージ、価値創造ストーリー、戦略、ガバナンスなど投資家が重視する章を優先して全訳し、詳細データは抄訳にする方法もあります。日本語版と同時進行で制作すると、修正の反映漏れを防げます。

制作会社に依頼しても、社内の作業はどのくらい残りますか?

制作会社にフルで依頼しても、社内の作業はなくなりません。経営陣の取材日程の調整、財務・非財務データの提供と確定、各部署の事実確認、役員レビューの取りまとめ、第三者保証機関との調整は発行企業側の役割です。特に社内レビューの窓口を一本化し、修正指示を集約してから制作会社に渡す体制を作ることが、費用とスケジュールを守るうえで最も重要です。

ブランディング会社に統合報告書を依頼するメリットは何ですか?

価値創造ストーリーの核となる存在意義や強みの言語化は、ブランディングにおけるMVV策定やブランドの言語化と同じ構造の作業です。ブランディング会社は、企業理念から一貫したストーリーを組み立て、コーポレートサイトや会社案内とトーンを揃えたデザインを得意とします。一方で、財務データや開示基準への対応は社内やIR支援会社との連携が必要になるため、役割分担を事前に明確にしておくことが大切です。

11. まとめ|統合報告書の費用は「費目の分解」と「ストーリー設計」で決まる

統合報告書の制作費用は、企画・編集設計、取材・ライティング、デザイン・DTP、撮影、翻訳、印刷、Web・PDF化の7費目で構成され、第三者保証は別予算です。見積の金額差の大半は、制作会社が担う業務範囲の違いから生まれています。

判断の要点を整理します。

  • 初回発行・40P前後なら300万〜800万円、標準的な60〜80Pなら800万〜1,500万円、大企業のフルスペックなら1,500万〜3,000万円超が一般的な目安
  • 開示実務と一括対応を重視するならIR専門制作会社、大規模な広告連動なら広告代理店
  • 自社らしい価値創造ストーリーとトンマナを重視するならブランディング会社、構成が固まっていて費用を抑えたいならデザイン事務所
  • 費用の膨張を防ぐには、構成段階での経営陣レビュー、社内窓口の一本化、日英同時進行が効く
  • スケジュールは発行日から6〜9ヶ月逆算、初回は9ヶ月以上を見込む

統合報告書は、投資家との対話の起点であると同時に、企業が自らの存在意義と強みを言語化する機会でもあります。ここで磨いたストーリーは、コーポレートブランディング全体の土台にもなります。

レイロでは、BtoB技術企業や老舗企業のMVV策定・ブランドの言語化から、CI・VI開発、コーポレートツールの制作までを一貫して支援しています。価値創造ストーリーの整理や、制作会社選定の進め方だけのご相談でも、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

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