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企業撮影・写真撮影の費用相場|コーポレートサイト・採用・商品撮影の内訳と依頼先別3万〜300万円

企業の写真撮影費用は、ディレクション費・カメラマン費・スタッフ費・スタジオ/機材費・レタッチ費・使用権の6費目で決まります。役員ポートレート、オフィス、採用、商品、工場・ドローンの種別別相場と、依頼先別3万〜300万円の違い、見積の確認点を解説します。

📌 この記事のポイント

  • 企業撮影の費用はディレクション・企画費/カメラマン費/アシスタント・ヘアメイク・スタイリスト費/スタジオ・ロケ・機材費/レタッチ・納品費/使用権・二次利用費の6費目で見積もる
  • 依頼先別の総額目安は出張撮影マッチング3万〜10万/フリーランス5万〜40万/撮影プロダクション30万〜200万/Web制作会社20万〜150万/ブランディング会社50万〜300万円
  • 費用が膨らむ主因はロケ地の数・被写体の人数・レタッチ点数・モデル起用・使用期間と媒体の制限の5つ
  • 最も効く節約策はサイト・採用・会社案内の素材を1回の撮影日にまとめ、ショットリストを事前に確定させること
  • 撮影前に写真のトーン&マナー(撮影ガイドライン)を決めておくと、撮り直しと媒体ごとの印象のブレを防げる
企業撮影の現場とカメラマン

「コーポレートサイトをリニューアルするので写真も撮り直したい。見積を取ったら、8万円の会社と120万円の会社があった」。撮影を外注したことのある広報・採用担当者なら、一度は経験する状況です。この差は、カメラマンの腕の差というより、見積に何が含まれているかの差で生まれます。8万円はカメラマン半日分と簡易補正のみ、120万円は事前の撮影企画、ロケハン、ヘアメイク、スタイリング、全カットのレタッチ、3年間の媒体フリー使用権まで含んでいる、というように業務範囲がまったく違うのです。

本記事では、写真撮影そのものを単体で発注する場合の費用を扱います。役員ポートレート、社員プロフィール、オフィス風景、採用向けの社員インタビュー写真、商品の物撮り、工場・施設・ドローン撮影までを対象に、費目の分解、種別ごとの相場、依頼先ごとの違い、権利処理、見積の確認点を整理します。

なお、サイトや冊子の制作費全体に占める撮影費の位置づけは、コーポレートサイト制作費用の相場、採用サイト制作費用の相場、会社案内・パンフレット制作費用の相場で解説しています。本記事は、それらの制作物に使う写真を「撮影だけ」発注する際の判断材料に絞っています。

本記事の監修:株式会社レイロ ブランドディレクター/ブランド設計200件以上/CI・VI開発から採用ブランディング、撮影ディレクションを含むクリエイティブ制作までを一貫して手がけるクリエイティブファーム

1. 企業撮影の費用は6費目に分けて考える

撮影の見積は「撮影一式 ◯◯万円」と書かれがちですが、中身は次の6費目の合算です。どの費目が含まれ、どれが別料金なのかを揃えない限り、複数社の見積は比較できません。

費目 金額レンジの目安 主な内容
① ディレクション・撮影企画費 0円〜50万円 撮影目的の整理、コンセプト設計、ショットリスト作成、ロケハン、当日の進行・演出
② カメラマン費 半日3万〜15万円/1日5万〜30万円 撮影技術料、移動時間、基本機材の持ち込み
③ アシスタント・ヘアメイク・スタイリスト費 1名あたり2万〜8万円/日 照明補助、被写体のヘアメイク、衣装・小道具の手配
④ スタジオ・ロケ・機材費 0円〜30万円 スタジオ使用料(1時間5,000円〜3万円)、ロケ許可、特殊機材、ドローン、交通費
⑤ レタッチ・納品費 1カット500円〜1万円 色調補正、肌・背景の修正、切り抜き、合成、データ形式の書き出し
⑥ 使用権・二次利用費 0円〜基本料金の50〜100% 使用媒体・期間・地域の範囲、広告利用、著作権の譲渡

見落とされやすい費目は①と⑥

①ディレクション費は、フリーランスや出張撮影サービスでは0円になっていることが多く、その場合「何をどう撮るか」は発注側が決めることになります。現場で「とりあえず全体を撮っておいてください」と頼むと、使える写真が少ない納品になりがちです。

⑥使用権は、後から問題になりやすい費目です。「Webのみ・1年」の条件で撮った写真を、翌年に交通広告や展示会ブースに使おうとすると、追加の使用料が発生するケースがあります。契約書面の確認点はブランディング業務委託契約のチェックポイントで整理している著作権の考え方がそのまま使えます。

撮影機材とライティングのセッティング

2. 撮影種別ごとの費用相場

撮る対象によって、必要なスタッフ構成と撮影時間が変わります。以下は、ディレクションを発注側で行い、カメラマン+最低限のスタッフで撮る場合の目安です。

撮影種別 相場(1回あたり) 撮影時間・点数の目安 費用が変わるポイント
役員ポートレート 5万〜25万円 役員5名・半日/各2〜3カット ヘアメイクの有無、背景紙か社内ロケか、レタッチの深さ
社員プロフィール写真 1名3,000円〜1万円 30〜50名・1日 人数、背景統一の要否、個別の表情修正
オフィス・職場風景 5万〜30万円 半日〜1日/30〜80カット 人物を入れるか、照明を組むか、撮影エリアの数
採用向け社員インタビュー・働く様子 15万〜80万円 1〜2日/社員5〜8名 取材ライター同行、部署ごとの移動、ヘアメイク
商品・物撮り(白背景) 1カット1,000円〜5,000円 20〜100カット 切り抜きの有無、反射素材、ブツ撮り台の規模
商品イメージ撮影(シズル・スタイリング) 20万〜100万円 1日/10〜20カット スタイリスト、フードコーディネーター、スタジオ規模
工場・施設・建築 10万〜50万円 1日/40〜100カット 安全教育の受講、稼働中か停止中か、照明機材
ドローン空撮 10万〜40万円 半日〜1日 飛行許可申請(国土交通省)、人口集中地区、動画同時撮影

種別ごとの実務メモ

役員ポートレートは、社長メッセージや登壇資料、IR資料、プレスリリースにまで使われるため、撮影時間が短くてもレタッチの深さで費用が変わります。背景を白・グレー・社内の3パターン撮っておくと、媒体ごとに使い分けられます。

社員プロフィール写真は、人数×単価で計算するサービスが多い領域です。社内の会議室に簡易スタジオを組み、1人5分程度で回せば、50名でも1日で終わります。

採用向けの撮影は、「働く様子」を自然に見せるための演出と、部署間の移動に時間がかかります。1日に回れる部署は4〜5箇所が現実的です。採用ブランディングの全体像は採用ブランディングとはで解説しています。

工場・施設は、安全教育の受講や立入許可の手続きが事前に必要です。稼働中のラインを撮る場合は、生産スケジュールとの調整だけで2〜3週間かかることもあります。

3. 依頼先別の相場と使い分け

同じ撮影でも、どこに頼むかで総額と業務範囲が大きく変わります。

依頼先 総額目安 主な業務範囲 向いているケース
出張撮影マッチングサービス 3万〜10万円 カメラマン派遣、基本補正、データ納品 社員プロフィール、イベント記録、急ぎの少量撮影
フリーランスカメラマン 5万〜40万円 撮影、レタッチ、機材手配(得意分野による) 撮りたいものが明確で、ディレクションを社内で担える
撮影プロダクション 30万〜200万円 企画、スタッフ編成、スタジオ手配、撮影、レタッチ、権利処理 広告・商品イメージなど品質要求が高い撮影
Web制作会社 20万〜150万円 サイト構成に合わせた撮影企画、外部カメラマン手配、サイト実装 サイト制作とセットで撮影する
ブランディング会社 50万〜300万円 ブランド方針に基づく撮影ガイドライン策定、企画、ディレクション、複数媒体への展開 サイト・採用・会社案内・広告の写真を一貫させたい

選び方の考え方

マッチングサービスは、価格が明示されていて発注の手間が小さいのが利点です。一方で、当日来るカメラマンの得意分野を細かく選べないことがあり、企業のブランド表現として使う写真には向かない場合があります。

フリーランスカメラマンは、ポートフォリオで得意分野を確認できれば、費用対効果が高い選択肢です。ただし撮影企画と当日の演出は発注側の仕事になると考えておきましょう。

撮影プロダクションは、スタッフ編成から権利処理まで任せられる一方、Webや採用といった媒体ごとの使われ方までは設計しないことが多いです。

Web制作会社は、サイトのページ構成から逆算して撮るため、無駄なカットが減ります。サイト制作全体の予算感はコーポレートサイト制作費用の相場を参照してください。

ブランディング会社は、1回の撮影をサイト・採用・会社案内・展示会・SNSなど複数の媒体に展開する前提で設計します。単価は高く見えますが、媒体ごとに別々に撮るより総額で下がるケースがあります。レイロも採用ブランディングの案件で、撮影ディレクションを含む制作に携わっています。依頼先の見極め方はブランディング会社の選び方も参考になります。

撮影の依頼先選びや、複数媒体にまたがる撮影計画でお悩みの場合は、無料相談をご利用ください。撮影目的と使用媒体の整理から一緒に進められます。

オフィスで働く社員の撮影風景

4. 費用が膨らむ5つの要因

見積が想定の2倍になる案件には、共通する要因があります。

要因1:ロケ地の数

撮影場所が1箇所増えるたびに、移動・機材の再セッティングで1〜2時間が消えます。本社・支店・工場の3拠点を回ると、1日では収まらず2日分のカメラマン費と交通費・宿泊費が必要になります。

要因2:被写体の人数と調整コスト

社員を30名撮る場合、撮影時間より「全員の予定を合わせる」ことに手間がかかります。当日の欠席者が出ると、追加撮影日(半日3万〜10万円)が発生します。

要因3:レタッチ点数と深さ

色調補正だけなら1カット500円〜1,500円ですが、肌修正・背景合成・映り込み除去まで行うと1カット3,000円〜1万円。100カット全てを深くレタッチすると、それだけで30万〜100万円になります。使うカットを先に絞り込んでから本レタッチに入るのが鉄則です。

要因4:モデル起用

社員ではなくプロのモデルを起用すると、1名あたり5万〜30万円のモデル料に加え、使用媒体・期間に応じた追加料金がかかります。採用サイトでは社員が出演するほうが信頼感につながるため、モデルは「顔が写らないカット」に限る判断もあります。

要因5:使用期間・媒体の制限

「Web限定・1年」と「媒体フリー・無期限」では、使用料が大きく変わります。特にモデル起用時は、使用期間が切れた写真を掲載し続けると契約違反になります。

5. 著作権・肖像権と使用範囲の決め方

撮影費を抑えることより、権利処理を曖昧にしないことのほうが、長期的な損失を防ぎます。

著作権はカメラマン側に残るのが原則

写真の著作権は、契約で定めない限り撮影者に帰属します。発注側が持てるのは「契約で許された範囲の利用権」です。

契約形態 内容 費用への影響
利用許諾(範囲限定) 媒体・期間・地域を限定して使える 基本料金内のことが多い
利用許諾(媒体フリー) 自社の全媒体で期間を定めず使える 基本料金+20〜50%
著作権譲渡 著作権そのものを発注側へ移転 基本料金+50〜100%、応じないカメラマンもいる

多くの企業にとって現実的なのは、「自社の広報・採用・営業目的であれば媒体・期間を問わず利用可、トリミングや色調変更も可」とする利用許諾です。加えて、著作者人格権を行使しない旨の条項も入れておくと、トリミングや加工で揉めずに済みます。

社員の肖像権と退職時の扱い

社員が写った写真には肖像権の問題があります。撮影前に「撮影・掲載に関する同意書」を取得し、掲載媒体と退職後の扱いを明記しておきましょう。

同意書に入れておきたい項目は次の通りです。

  • 使用する媒体(Webサイト、採用サイト、会社案内、SNS、広告など)
  • 掲載期間の考え方(在籍中のみか、退職後も一定期間掲載するか)
  • 退職時の申し出による掲載停止の手続きと、差し替えにかかる期間
  • 印刷済みの冊子など、回収できないものの扱い

退職者が出るたびに採用サイトのメインビジュアルを差し替える事態を避けるには、メインビジュアルに使う人物を複数人の構成にし、1人が抜けても成立するカット割りにしておくのが実務的です。

フリー素材との使い分け

フリー素材は数百円〜数千円で済みますが、他社サイトとの被りを避けられず、「自社らしさ」は伝わりません。人物や職場が写る写真は自社撮影、抽象的なイメージや季節素材はフリー素材という使い分けが、費用と効果の釣り合いが取りやすい方法です。

商品撮影のスタジオセット

6. 撮影前にトーン&マナーを決める

ブランディング会社の立場から最も強調したいのが、この工程です。撮影でよくある失敗は、写真の質が低いことではなく、媒体ごとに写真の印象がバラバラになることです。

コーポレートサイトは明るくクリーンなトーン、採用サイトは別のカメラマンによる暖色系、会社案内はさらに別の年に撮った素材。こうした状態では、一つひとつの写真が良くても、企業としての印象が積み上がりません。

撮影ガイドラインに盛り込む項目

項目 決める内容の例
色味・トーン 自然光寄りか、コントラスト強めか。彩度の上限
光の方向と硬さ 窓光を活かすか、ストロボで均一にするか
被写体との距離感 引きで空間を見せるか、寄りで表情を見せるか
人物の表情・視線 カメラ目線の比率、笑顔の度合い
構図のルール 余白の取り方、テキストを載せる余白の確保
服装・小物 制服か私服か、ロゴ入りアイテムの扱い
NG例 過度なボケ、斜め構図、演出が過ぎるポーズ

これはブランドガイドラインの写真の章にあたる部分です。すでにCI・VIを策定済みの企業なら、そのトーンを写真にも適用するだけで済みます。ガイドライン自体を整備する場合の費用感はCI/VI開発の費用相場、ブランドブックとしてまとめる方法はブランドブックの作り方で解説しています。

撮影ガイドラインがあれば、翌年以降に別のカメラマンへ依頼しても、同じトーンで撮り足せます。 追加撮影のたびに「前回と同じ雰囲気で」と口頭で伝える手間と、ズレによる撮り直しが減ります。

7. 見積チェックポイントとスケジュール

見積で必ず確認する8項目

# 確認項目 確認の意図
1 拘束時間の定義(移動時間を含むか) 半日=4時間か、撮影実働4時間かで差が出る
2 延長料金の単価 1時間あたり1万〜3万円が一般的
3 納品点数とセレクトの担当 全カット納品か、セレクト済みの◯点か
4 レタッチの範囲 色調補正のみか、肌修正・合成まで含むか
5 使用範囲(媒体・期間・地域) 後からの追加使用料を防ぐ
6 交通費・宿泊費・駐車場代の扱い 地方拠点の撮影で差が大きい
7 雨天・中止時のキャンセル規定 屋外撮影では必須
8 データの保管期間 再ダウンロードや追加レタッチの可否

標準的なスケジュール

フェーズ 期間 主な作業
① 目的整理・依頼先選定 1〜2週間 使用媒体の洗い出し、見積依頼、比較
② 撮影企画・ガイドライン確認 1〜3週間 ショットリスト作成、ロケハン、撮影ガイドライン確認
③ 被写体・社内調整 1〜2週間 出演社員の選定、同意書取得、当日のタイムテーブル作成
④ 撮影 半日〜2日 撮影、現場での簡易チェック
⑤ セレクト・レタッチ 1〜3週間 使用カット選定、本レタッチ、修正対応
合計 1〜2.5ヶ月

サイト公開日が決まっている場合は、そこから逆算して2ヶ月前には撮影企画に着手しておくと安全です。屋外撮影を含むなら、雨天順延を見込んで予備日を1日確保してください。社内の進め方はブランディング案件の進行管理も参考になります。

工場・施設の撮影とドローン空撮

8. 費用を安く抑えるコツと、よくある失敗例

コツ1:撮影日を集約する

サイト用・採用用・会社案内用の撮影を別々の年度に発注すると、カメラマン費とディレクション費がその都度かかります。 1回の撮影日にまとめれば、カメラマン費は1日分で済み、トーンも揃います。3媒体を別々に撮って合計90万円かかるところ、まとめれば50万〜60万円に収まる、という差は珍しくありません。

コツ2:ショットリストを事前に確定させる

撮るべきカットを「ページ・用途・横長か縦長か・人物の有無」の単位で一覧化しておきます。ショットリストがあれば当日の撮り漏れがなくなり、撮影時間を半日短縮できることもあります。

コツ3:媒体ごとの比率を撮影時に押さえる

Webのメインビジュアルは横長、SNSは正方形や縦長、会社案内は見開きです。同じシーンを横・縦の両方で撮っておくと、後から撮り足す必要がなくなります。

コツ4:社内の準備を先に済ませる

撮影当日にオフィスの整理整頓から始めると、1〜2時間が失われます。デスク上の書類、ホワイトボードの機密情報、配線は前日までに片付けておきましょう。

よくある失敗例

失敗例 原因 防ぎ方
納品された写真の大半が使えなかった 使用箇所を決めずに撮影した ショットリストをページ単位で作る
採用サイトと会社案内で雰囲気が違う 別のカメラマンに別の年に依頼した 撮影ガイドラインを作り、同日撮影にまとめる
展示会パネルに使ったら追加請求が来た 使用範囲を「Webのみ」で契約していた 使用範囲を媒体フリーで契約する
退職者の写真を急いで差し替えた 同意書で退職後の扱いを決めていなかった 同意書に掲載期間と手続きを明記する
役員写真の表情が硬い 撮影時間が短く、声がけする人がいなかった ディレクターを同席させる

撮影をブランド投資の一部として位置づけると、予算配分の判断がしやすくなります。全体の考え方はブランディングの費用相場でも整理しています。動画も同時に撮る場合は動画ブランディングの記事も参考になります。

撮影後のセレクトとレタッチ作業

9. よくある質問

社員プロフィール写真だけを撮る場合、最低いくらから依頼できますか?

出張撮影マッチングサービスを使えば、1時間程度・10名前後の撮影で3万〜5万円から依頼できます。社内の会議室に簡易スタジオを組み、1人あたり5分程度で撮影するのが一般的です。ただし背景の統一や表情の個別修正を求める場合は、1名あたり3,000円〜1万円のレタッチ費が加算されます。人数が30名を超える場合は、カメラマンを1日拘束し、当日の欠席者に備えて予備日を相談しておくと安心です。

写真の著作権は譲渡してもらうべきですか?

必ずしも譲渡は必要ありません。多くの企業では「自社の広報・採用・営業目的であれば媒体・期間を問わず利用でき、トリミングや色調変更も可能」とする利用許諾で十分です。著作権譲渡は基本料金の50〜100%が上乗せされることが多く、応じないカメラマンもいます。重要なのは、使用範囲を契約書に明記し、著作者人格権を行使しない旨の条項を入れておくことです。これで加工や二次利用をめぐるトラブルの大半を防げます。

社員が退職したら、写真はすぐに削除しなければいけませんか?

撮影前に取得した同意書の内容によります。同意書で「退職後も一定期間は掲載を継続する」「退職時の申し出があれば◯営業日以内に掲載を停止する」と定めておけば、その範囲で運用できます。同意書がない場合は、本人から申し出があれば速やかに差し替えるのが原則です。採用サイトのメインビジュアルは複数人の構成にし、1人が抜けても成立するカット割りにしておくと、差し替えの負担を小さくできます。

フリー素材だけで済ませるのは問題がありますか?

費用は抑えられますが、他社サイトと同じ写真が使われるリスクがあり、自社の職場や人の雰囲気は伝わりません。特に採用サイトでは、求職者は実際の職場や社員の様子を知りたいと考えているため、フリー素材中心では応募動機につながりにくくなります。人物や職場が写る写真は自社で撮影し、抽象的なイメージや季節感を出す素材はフリー素材で補う、という使い分けが費用と効果の釣り合いが取りやすい方法です。

撮影の依頼から納品まで、どのくらいの期間を見ておけばよいですか?

標準的には1〜2.5ヶ月です。内訳は、目的整理と依頼先選定に1〜2週間、撮影企画とショットリスト作成に1〜3週間、出演社員の調整と同意書取得に1〜2週間、撮影が半日〜2日、セレクトとレタッチに1〜3週間です。工場の稼働ラインを撮る場合やドローンの飛行許可が必要な場合は、さらに2〜4週間を見込んでください。サイト公開日が決まっているなら、2ヶ月前には撮影企画に着手するのが安全です。

10. まとめ|撮影は「6費目の分解」と「撮る前の設計」で決まる

企業撮影の費用は、ディレクション・企画費、カメラマン費、スタッフ費、スタジオ・ロケ・機材費、レタッチ・納品費、使用権費の6費目で構成されます。見積の金額差の大半は、この範囲の違いから生まれています。

判断の要点を整理します。

  • 撮りたいものが明確で少量なら、出張撮影マッチング(3万〜10万)やフリーランス(5万〜40万)が効率的
  • 広告・商品イメージなど品質要求が高いなら、撮影プロダクション(30万〜200万)
  • サイト制作と同時に進めるなら、Web制作会社(20万〜150万)
  • サイト・採用・会社案内の写真を一貫させたいなら、ブランディング会社(50万〜300万)で撮影ガイドラインから設計する
  • 費用のブレを防ぐには、ロケ数・人数・レタッチ点数・モデル起用・使用範囲の5項目を事前に確定させる
  • 権利面では、利用範囲を媒体フリーで契約し、社員の同意書で退職後の扱いまで決めておく

写真は、サイト、採用、会社案内、展示会、SNSと、あらゆる接点で繰り返し使われる素材です。1回の撮影を複数媒体の資産として設計できれば、費用を抑えながら企業の印象を揃えることができます。

レイロでは、ブランドの方針に沿った撮影ガイドラインの策定から、撮影企画、当日のディレクション、コーポレートサイトや採用ツールへの展開までを一貫して支援しています。撮影計画の立て方や、依頼先の選び方だけのご相談でも、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

ブランドの一貫性を持った企業写真

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