株式会社上代

朝専用の甘酒『AM』。時間軸とストーリー性で魅せる製品ブランディング

鳥取県で造り酒屋を営む株式会社上代。事業承継に伴い、甘酒の新ブランド「AM」のブランディングを担当しました。ブランドアイデンティティのみならず、初期のマーケティングや市場分析、対象商材の選定に至るまで、幅広く支援させていただきました。

Background背景

・どぶろく醸造会社である上代が培ってきたノウハウを活かした新しい商品を生み出したい
・ECサイト上でも販売できる、新しい世代にも訴求できる商品を検討したい

Approach実施内容

・どぶろくの消費者動向などマーケティングや市場分析を踏まえ、米と水、糀に関するノウハウを結集した「朝専用の甘酒」を提案
・時間や気分で飲み分ける2つのスタイルを確立し、コンセプトをもとにウェブサイトを改修

Flow解決の流れ

    Concept

    「朝」に特化した時間軸のコンセプト

    コンセプトは『朝(AM)に飲む甘酒(AMazake)』。朝専用の甘酒です。時間や気分に合わせて飲み分ける、「AM7(エーエムセブン)」と「AM10(エーエムテン)」の2つのスタイルがあります。

    AM7のイメージは、平日の午前7時。オンのスイッチが入った朝の忙しい時間には、サラリとした飲み口で爽やかな目覚めを。一方のAM10のイメージは、休日の午前10時。オフモードでいつもより少し時間が取れる朝。休日の安らぎの中で、お米の存在感を残した食感をたのしみながら、ゆったりくつろぎ時間を。

    そんな飲用シーンに合わせて、ラベルはAM7には「しゃっきり」、AM10には「くつろぎ」の言葉を添えています。

    Structure

    ストーリー調でAMがある生活シーンを追体験できるサイトに

    ウェブサイトもコンセプトに連動して、ユーザーの体験に合わせて構築しています。サイト上の「am7」をクリックすると、朝の時間帯ごとのユーザーの動きを写真とともに展開。ベットで起床するところに始まり、スクロールして時間を追うごとに、お弁当の準備、出勤の準備、出社前にAM7を手に取り、飲んでから家を出るといった「ストーリー調」に仕上げています。

    実際のユーザーの動きに合わせて世界観を創り上げることで、ユーザーが“商品がそばにある生活”を具体的に想出できるような工夫をしています。

    Identity

    風土と酒造り、作り手の魅力をすべて込めて

    私たち自身も実際に、「AM」の製造・販売元である上代様の地元・鳥取県伯耆町(ほうきちょう)を訪れました。そこで目にしたのは、とてつもなく美しい空気と澄んだ川、豊かな自然。そして、新世代である代表取締役と杜氏のおふたりとお話しさせていただく中で感じた、やさしさ、フレッシュさ、透明感。こうした現地の空気感やおふたりが放つ魅力をロゴにも宿しました。

    朝を表す「AM」を人の顔にして、平日の午前7時をイメージしたAM7は、はつらつとした表情。休日の午前10時をイメージしたAM10は、まだ少し眠たそうな表情にすることで、ロゴにも意味づけをしています。

    さらに、おいしいお酒の原点は、豊かな自然と風土、源流にあることから、Aを山、Mを川に見立て、鳥取県伯耆町の景色そのものを反映しています

    Design

    すべてに“朝らしさ”を追求して創り上げたデザイン

    朝らしい爽やかなカラーをベースに、平日の「しゃっきり」、休日の「くつろぎ」をどのように色付けていくのか検討を重ねました。ウェブサイトのトップページは、フードスタイリストさんにご協力のもと、健康に配慮しているターゲットに向けて爽やかさを意識した背景にしています。

    パッケージは、実際の商品のラベルに和紙を採用することでよりふんわりとした発色になり、朝に見てもきつくない、心地の良いものに仕上げています。

    一般的に和紙は、他の材質の紙に比べてインクが滲みやすく、可読性が下がるなどの特徴があります。リスクがある点も踏まえたうえで、世界観を表現するため“質感”を重視し、紙の選定や印刷など何度もテイクを重ねました。印刷色はベースのカラーよりも少し濃く、文字サイズは実際のフォントよりも輪郭を立たせるなど、細やかに調整することで視覚的な美しさを保ちました。

    容器については、さまざまな形状、大きさのものを試す過程で、商材が朝専用の甘酒であることからコンパクトなものに。冷蔵庫で保管するため縦置きができて、ポケットにも棚にもそのまま収納できるように、汎用性のある容器にしました。

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    Work list

    • web site

    • package

    Team

    Creative Director
    Ryosuke Hatta
    Art Director / Designer
    Yuka Nakai
    Photographer / Videographer
    Shigeki Tsuji
    Stylist
    Arisa Kikuchi
    Developer
    Laura Dijoux
    • Ryosuke Hatta

      Ryosuke Hatta

    • Yuka Nakai

      Yuka Nakai

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